1978年の秋、パリ。矢吹駆とナディアは、富豪ダッソー家の晩餐会に招かれます。その夜、運転手の娘サラが人違いで誘拐され、ナディアが身代金を運ぶ役に指名されます。同じころ、ある学院では女性の学院長が銃で撃たれていました。
昭和49年に起きた一家惨殺事件は、犯人が分からないまま50年がたちました。令和になって、あるアパートで見つかった変死体をきっかけに、止まっていた捜査がふたたび動き出します。
「お嬢」と呼ばれた与党の女性議員が亡くなった。自殺か、それとも――。政治部の記者、野党の議員、秘書、地方議員が、それぞれの立場から真相に迫ります。
森田みどりは、2人の子を育てながら探偵社で働く私立探偵です。高校生のころから、人が隠している本当の姿を暴くことにとりつかれてきました。
唐の都・長安で、腹を十文字に切り裂かれ、内臓を抜き取られた死体が次々に見つかります。捜査は道教の思想へとつながっていき、鍵を握るのは、奴隷の身分でありながら仙人の伝説を思わせる不思議な少年、「崑崙奴」でした。
コロナ禍の日常に、少し不思議なことや怖いことが入りこむ短編集。死んだはずの同級生を名乗る女が現れる話などが収められています。
戦後、アメリカの統治下にあった琉球の与那国島。体の一部を機械にした密貿易人・武庭純のもとに、殺人鬼となった元憲兵と、謎めいたアメリカ人女性から依頼が舞いこみ、純は世界規模の陰謀に巻きこまれていきます。
幕末の横浜にあった港崎遊廓が舞台です。父の無実を明かすために遊女になった町娘の伊佐と、姉の心中をきっかけに本当の愛を探しはじめた鏡。2人の女性の物語が交互に語られ、イギリス海軍の将校メイソンとの関わりが、事件を解く鍵になっていきます。
人気アイドルの大峰颯太が、わずか3か月のトレーニングでボディビル大会の3位に入賞します。ネットではドーピングを疑う声が燃え上がりますが、本人は否定し、六本木にパーソナルジムを開きます。
探偵の大塒は、行方が分からなくなった助手を追って、南米ガイアナにある新興宗教の村「ジョーデンタウン」に入りこみます。奇跡を信じる人々のあいだで、不審な死が次々に起こります。
1996年、横浜で塾の経営者が殺されます。容疑者として浮かんだ元教え子は、2年たった今も逃げたまま。父親から虐待を受けている小学生、その友だち、殺人犯をかくまう女性、捜査を続ける刑事。4人の視点が少しずつ交わっていくミステリーです。
昭和18年、陸軍軍医の妻になった中久世美禰子は、大阪・船場の化粧品商「大鞠家」に嫁ぎます。夫が戦地へ向かったあと、古い商家に残された美禰子の前で、一族を狙った連続殺人が起こります。明治から戦後まで、いくつもの時代が交差する長編です。
小惑星「テロス」が日本に衝突することが分かり、世の中は混乱しています。そんな中でも、23歳の小春は福岡の自動車教習所に通い続けていました。ある日、教官のイサガワと教習をしていると、教習車のトランクから女性の遺体が見つかります。
昆虫が大好きな心やさしい青年・魞沢泉が、旅先で出会う事件の謎を解いていく5編の連作集です。表題作では、16年前の震災のときに目撃された、行方不明の少女の幽霊の話が語られます。どの話にも、人の悲しみや思いやりが隠れています。
昭和29年の大阪。政治家の秘書が刺し殺された事件をきっかけに、連続殺人が起こります。捜査にあたるのは、大阪市警視庁の若い刑事・新城と、国の警察から送りこまれたエリートの警部補・守屋。
博士号を持ちながら、30歳で北海道警察に入った沢村依理子。5年前に起きた未解決の誘拐事件で、被害者の遺体が見つかったことから、事件はふたたび動き出します。やがて捜査資料が外に漏れ、沢村自身が疑われることになります。
南宋の時代の中国。武術の達人・梁泰隆と、弟子の蒼紫苑、養女の恋華が、湖に浮かぶ楼閣で暮らしています。ある日、師匠が密室の中で死んでいるのが見つかり、紫苑は真相を突きとめようとします。武侠小説の形を借りた本格ミステリーです。
巨大ショッピングモール「スワン」で無差別の銃撃事件が起き、21人が亡くなりました。生き残った高校生のいずみは、事件のさなかの行動を暴露され、世間から責められることになります。
元刑事の藤巻は、軽い認知障害があると診断されます。そんな折、介護施設の前に置き去りにされた身元の分からない老人について、娘から調べてほしいと頼まれます。記憶が失われていく不安と向き合いながら、藤巻は老人の過去を追いかけていきます。
慶応3年の京都。尾張藩士の鹿野師光は、のちに初代の司法卿となる江藤新平と出会います。維新の志士の不審な死、密室での刺殺、処刑直前の毒殺。時代が大きく変わる中で起きた不可解な事件を、論理で解いていく5編の連作集です。
昭和20年、終戦まぎわの北海道。アイヌの母と日本人の父をもつ特高の刑事・日崎八尋は、軍需工場の関係者を狙った連続殺人を追います。やがて陸軍の機密をめぐる陰謀に巻きこまれ、無実の罪で網走の刑務所に入れられてしまいます。
父親を刺殺した女子大生の事件を取材する臨床心理士が、彼女の過去と、自分自身の過去に向き合っていくサスペンスです。
IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久が、明治の作家・黒岩涙香が遺したとされる暗号に挑みます。鍵になるのは、いろは48文字をすべて一度ずつ使って作られた「いろは歌」の数々。日本語の仕掛けをとことん突きつめた、言葉のミステリーです。
1985年、職業安定所で出会った葉子と希美は、生年月日が同じだと分かって親しくなります。葉子は障害のある甥の達也を連れて、東京の旧家で家政婦として働きはじめます。
海辺の町・鼻崎町で、車椅子の少女をきっかけに3人の女性が支援の活動を始めます。善意から始まった活動が、やがて疑いと事件を呼びこむ心理ミステリー。
世界中から死刑囚が集められた、特殊な監獄が舞台です。囚人のひとりで、鋭い頭脳を持つシュルツ老人と、その助手になった青年アラン。2人は監獄の中で起きる不可解な事件に、次々と関わっていきます。
昭和63年の広島。新人刑事の日岡は、暴力団との黒い噂が絶えないベテラン刑事・大上の下につきます。暴力団の息がかかった金融会社の社員が消えた事件をきっかけに、組どうしの抗争が始まり、2人は法すれすれの捜査で事態に立ち向かっていきます。
17歳の女子高生・市野亜李亜の一家は、全員がそれぞれのやり方で人を殺す殺人鬼です。西東京市の家でひっそり暮らしていましたが、ある日、兄が殺され、翌日には母が姿を消します。
「犯人は○○だよ」。小学5年生の鈴木太郎は、自分を神様だと名のり、事件の犯人をいきなり言い当ててしまいます。同じクラスの探偵団の子どもたちは、その答えが本当かどうか、手がかりを追っていきます。『神様ゲーム』の続きにあたる連作短編集です。
30歳の田中幸乃は、元恋人の家に火をつけ、妻と幼い双子の命を奪った罪で死刑を言い渡されます。産科医、義理の姉、中学時代の親友。彼女の人生に関わってきた人たちの視点から、報道されたイメージとは違う幸乃の姿が浮かび上がっていきます。
ビデオジャーナリストの伏見が暮らす鳴川市で、いたずら事件が続き、やがて陶芸家が殺されます。現場には「道徳の時間を始めます」という言葉が残されていました。同じころ伏見は、13年前に起きたある事件のドキュメンタリー撮影を頼まれます。
映画の出資金を持ち逃げされたヤクザの桑原と、建設コンサルタントの二宮が追いかけるシリーズもの。大阪弁の掛け合いがテンポよく進みます。
中学生の襟音ママエは、どんな問いにも真実を映して答える「魔法の鏡」を持っています。そのママエの前に、悪知恵の働く探偵・三途川理が立ちはだかります。白雪姫をもとにした設定で、ファンタジーと本格ミステリーを組み合わせた作品です。
目の見えない69歳の村上和久は、孫の腎臓移植のために検査を受けますが、適合しませんでした。兄の竜彦に検査を頼んでも、兄はなぜかかたくなに断ります。27年前、中国から帰ってきた兄の顔を、失明していた和久は一度も見ていません。
作家の「私」のもとに、マンションの部屋で妙な音がするという手紙が届きます。同じ土地で起きた出来事を過去へさかのぼって調べていく、記録のような形のホラー。
密室で事件が起きると、どこからともなく現れて謎を解き、去っていく探偵「密室蒐集家」。警察の中でも都市伝説のように語られる人物です。時代の違う5つの密室事件を描いた短編集で、探偵は何十年たっても年を取らないように見えます。
14年前に死刑が執行された連続殺人犯「ブージャム」。その名を継ごうとする者による、模倣の殺人が起こります。事件を追うのは、図書館で働く南條仁。
地方の町で暮らす人たちが、ふとした瞬間に道を踏みはずしていく姿を描いた短編集です。
妖怪たちから「知恵の神」として頼られている少女・岩永琴子と、ある秘密を抱えた青年・桜川九郎。2人の前に、ネットの噂から生まれた怪物「鋼人七瀬」が現れます。琴子が選んだのは、嘘の推理で噂そのものを上書きしてしまう、という奇妙な戦い方でした。
18世紀のロンドン。外科医ダニエルの解剖教室で、手足を切られた少年と顔をつぶされた男の死体が見つかります。捜査にあたるのは、目の見えない治安判事と、その助手たち。ダニエルの弟子たちも巻きこまれながら、事件の真相に迫っていきます。
ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の、13年後を描いた続編です。次男のイワンは、未解決事件を扱う捜査官になっていました。イワンは、かつて父フョードルが殺された事件をあらためて調べ直していきます。
死に場所を探していた大学生の種田静馬は、信州の山奥の温泉地を訪れます。そこで村の神の後継ぎとなる少女が殺され、片目の少女探偵・御陵みかげが推理に乗り出します。物語は2部に分かれていて、18年後、同じ場所でふたたび事件が起こります。
12世紀、ヨーロッパの北の海に浮かぶソロン諸島。領主ローレントが暗殺され、魔術によって操られた何者かが手を下したことが分かります。領主の娘アミーナは、旅の騎士ファルクとその従士とともに、8人の容疑者の中から犯人を探しはじめます。
変死体のそばから見つかった、呪いの札。文化人類学者の仲澤大輔は、その札を手がかりに、殺人事件の真相に迫っていきます。地方に残る古い風習と呪いが絡み合う長編ミステリーです。
失意のフリークライマー、水沢淶は、寺に居候しながら暮らしています。そこへ、皇居にある盆栽「三代将軍」を盗み出してほしいという依頼が舞いこみます。報酬は1億円。
若い女性を狙い、人差し指を切り取る連続殺人犯「指蒐集家」。警視庁捜査一課の刑事・西條は捜査にのめりこむあまり、窮地に追いこまれていきます。
ネット上で、5人のゲーマーが推理ゲームを楽しんでいます。ただし出題されるのは、出題者自身が実際に起こした殺人です。犯人が誰かは分かっていて、問われるのは「どうやって殺したか」。前作『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編です。
舞台は奈良の山奥、水の神を祀る4つの村です。怪異譚を集めて歩く作家・刀城言耶は、編集者の祖父江偲とともに、久しぶりに行われる雨乞いの儀式に立ち会います。ところがその最中、湖の上で密室状態の殺人が起こり、事件は続いていきます。
戦時中の日本が舞台です。病院の院長の息子・雪麻呂と、その周りの人々、そして東南アジアの密林に棲むという爬虫類の姿をした「ヘルビノ」。奇怪な出来事が次々に描かれていきます。「粘膜」シリーズの2作目です。
強風の日、倒れた街路樹の下敷きになって、幼い子どもが亡くなります。新聞記者の父親は、事故の本当の原因を追いはじめます。見えてきたのは、多くの人たちの、ほんの小さな身勝手の積み重ねでした。
小学校の卒業を前に、ある悲しい出来事とともに、1丁の拳銃をタイムカプセルに埋めた幼なじみの4人。23年後、ひとつの殺人事件をきっかけに、4人は再会します。
PTSDで休職中の北海道警の刑事が、北海道の各地で起きた事件を個人として調べていく連作短編です。
昭和初期の東京を舞台に、良家の令嬢・英子と女性運転手のベッキーさんが、身の回りの謎を解いていくシリーズの完結編です。
昭和20年、疎開先の温泉地で、画家を志す少年・本庄究は、ある女性と出会います。そこから戦後、そして平成へ。究の長い人生と、それぞれの時代に起きる3つの「ありえない」事件が絡み合っていく長編です。
詐欺で生計を立てている中年のタケとテツ。2人の前に、まひろという少女が現れます。やがて彼女の姉と恋人も加わり、5人と1匹の奇妙な共同生活が始まります。それぞれに過去を抱えた彼らは、ある大きな計画に挑むことになります。
市原の交通刑務所の中で、受刑者のひとりが殺されます。遺体は、奇妙な「前へならえ」の姿勢をとっていました。同じころ、別の受刑者が刑務所から姿を消します。塀の中の密室で起きた事件は、やがて外の世界の思わぬ出来事へとつながっていきます。
英都大学推理小説研究会の部長・江神二郎が、姿を消しました。有栖たち部員は江神を追って、新興宗教「人類協会」の聖地・神倉へ向かいます。ようやく江神と再会したものの、協会の本部「城」の中で殺人事件が起き、一行は外に出られなくなります。
昭和21年の夏、東京・成城に住む実業家の5歳の息子が誘拐されます。犯人は身代金を手にしたあと、子どもを連れたまま姿を消し、事件は解決しませんでした。それから15年後、ある殺人事件をきっかけに、あの誘拐事件がふたたび動き出します。
ホテルの中庭で起きた死と、それを題材にした舞台。劇中劇が入れ子のように重なり、どこまでが芝居でどこからが現実なのかが揺らいでいきます。
小学5年生の凰介は、母を病気で亡くし、父と2人で暮らしています。やがて、幼なじみの一家にも次々と悲しい出来事が起こります。凰介、父、周りの大人たちと視点を替えながら、それぞれが隠していたことが少しずつ明らかになっていきます。
「現職の国会議員の中に、外国のスパイがいる」。その情報をもとに、警視庁の外事課に極秘の捜査本部が置かれます。指揮をとるのは女性のキャリア理事官。やがて、次の首相候補と目される大物議員の名前が浮かびあがります。
北陸の名家・青澤家で開かれた祝いの席で、17人が毒によって命を落としました。ただひとり生き残ったのは、目の見えない少女・緋紗子。やがてある青年が犯人とされますが、何年もたってから、関係者の証言を通して事件がもう一度たどり直されていきます。
著名な彫刻家・川島伊作が亡くなる直前に完成させた、娘の江知佳をモデルにした石膏像。その首が何者かに切り取られ、持ち去られます。作家で探偵の法月綸太郎が調べはじめますが、事件は思わぬ方向へ広がっていきます。
日曜の昼、介護サービス会社の社長が、厳重なセキュリティで守られたオフィスで殴り殺されます。監視カメラには誰も映っておらず、逮捕された専務は犯行を否定します。弁護士の青砥純子と、防犯コンサルタントの榎本径が、この難攻不落の密室に挑みます。
檜山貴志の妻は、生後5か月の娘の目の前で殺されました。犯人は13歳の少年3人で、年齢を理由に罪には問われませんでした。それから4年後、犯人のひとりが殺され、檜山に疑いがかかります。
主人公の成瀬将虎は、いくつもの仕事を掛け持ちする「何でもやってやろう屋」。知り合いから、ある事故の真相を探ってほしいと頼まれ、調査を始めます。現在と過去の話が行き来しながら進み、最後に大きな仕掛けが待っています。
1961年、衛藤たちは国の移民政策に応じて、南米アマゾンへ渡りました。ところが、約束されていた肥沃な農地は、手つかずの密林でした。病で多くの人が倒れる中を生き抜いた衛藤。
洞窟に潜るケイブダイバーの東馬亮は、5年前の事故で恩師を死なせてしまった過去を背負っています。新潟の鍾乳洞の調査中、落盤で調査隊が閉じこめられ、洞窟が水に沈むまでおよそ5時間。
主人公の「僕」と、同じ高校に通う森野夜。2人は人の死や猟奇的な事件にひそかに惹かれています。ある日、森野が連続殺人犯のものらしい手帳を拾ったことから始まる連作短編集です。
旧友に招かれて、マレーシアの高原リゾート、キャメロン・ハイランドを訪れた犯罪学者の火村英生と作家の有栖川有栖。滞在中、内側からテープで目張りされたトレーラーハウスで死体が見つかります。
大手新聞社に内定した女子学生が、20年前に起きた誘拐事件の犯人の娘だと、週刊誌にすっぱ抜かれます。社主の命令で、ベテラン記者がこの古い事件を調べ直すことになり、隠されていた事実が次々と明らかになっていきます。
かつて裏の世界で「始末屋」として生きていた榊原健三は、山奥で静かに暮らしていました。ある日、昔の恋人・多恵子の息子が人質事件に巻きこまれたことを知り、健三は札幌へ向かいます。長編のハードボイルドです。
死刑囚の樹原亮は、事件が起きた時間の記憶を失っています。その無実を証明するため、刑務官の南郷と、前科を背負った青年・三上が調査を始めます。刑が執行されるまでの時間は限られていて、手がかりは死刑囚がかすかに思い出した「階段」の記憶だけでした。
岡山を舞台にした4編のホラー短編集。表題作では、遊郭の女郎が客に語る身の上話から、壮絶な過去が明かされていきます。
四国の霊峰・石鎚山に登った少女・久坂優希と2人の少年。その帰り道、ある事件が起きます。17年後、看護師、刑事、弁護士になった3人が再会し、封じこめてきた過去と向き合うことになります。
海上自衛隊の最新鋭の護衛艦《いそかぜ》。艦長の宮津弘隆、先任伍長の仙石恒史、若い一等海士の如月行。それぞれの人生が、ある事件をきっかけに交わっていきます。文庫は上下巻の長編です。
連続爆弾事件の犯人のアジトで、ひとりの男が捕まります。鈴木一郎と名のるその男には、感情というものがまったくないようでした。精神科医の鷲谷真梨子は精神鑑定を受け持ち、男の正体を探ろうとします。そんな中、病院に爆弾が仕掛けられます。
自動車の部品をつくる会社で働く杉田平介。妻の直子と小学5年生の娘・藻奈美が乗ったスキーバスが事故にあい、直子は亡くなってしまいます。ところが、意識を取り戻した藻奈美の体には、死んだはずの直子の心が宿っていました。
深夜の弁当工場で働く主婦たち。その一人が、夫を殺してしまいます。仲間の雅子は、ほかのパート仲間を巻きこんで、遺体の始末を引き受けることになります。そこから、彼女たちの日常は大きく狂いはじめます。文庫は上下巻です。
新宿の中国系マフィアの抗争から2年。北京の大物が狙撃されたことをきっかけに、歌舞伎町の裏社会はふたたび緊張に包まれます。殺し屋の郭秋生と元刑事の滝沢は、前作の主人公・劉健一の思惑に振り回されていきます。『不夜城』の続編です。
自衛隊の勧誘員として鬱屈した日々を送る平貫太郎の前に、元自衛官の東馬修一が現れます。そのころアメリカ国防総省は、「12(トゥエルブ)」と名のる何者かに脅されていました。強力なコンピュータウイルスと、謎の兵器「ウルマ」。
銀行員の伊木は、債権回収を担当していた同僚の坂本が、アレルギーのショックで急死したことに疑問を抱きます。坂本は、伊木のかつての恋人・曜子の夫でもありました。伊木は坂本の仕事の跡をたどりながら、銀行の中に隠された暗部に踏みこんでいきます。
首都テレビの報道局で、ニュース映像の編集を担当する遠藤瑶子。映像の見せ方ひとつで視聴者の受け止め方を変えられる彼女の編集は、局内でも評価されていました。ところが、ある事件の映像をめぐって、瑶子自身が思いもよらない罠にはまっていきます。
家族が子どもに殺されたように見える事件が続く。刑事、教師、相談員らの視点から、家族の抱える闇に迫る長編。のちに5部作の文庫版として大きく書き直されました。
箱に詰められた少女の手足が見つかる、奇怪な事件から物語が始まります。探偵の榎木津、作家の関口、刑事の木場。それぞれの形で事件に関わった男たちは、やがて古本屋の主人で陰陽師でもある京極堂のもとに集まります。
八木薔子は、社内での恋愛が明るみに出て証券会社を辞め、今はスーパーやデパートで万引きを見張る保安士として働いています。ある日、かつての交際相手の妻が殺され、薔子に疑いがかかります。残されていたのは、謎めいた「ダイイングメッセージ」でした。
20年前、ある中学校のクラスで「恐怖新聞」と呼ばれる新聞が配られ、いじめが起きていました。いま、そのクラスの同窓会が開かれようとしています。記憶を失った男が復讐を企み、やがて殺人が起こります。過去と現在が交差する3部構成のサスペンスです。
民族学者の大生部教授は、アフリカの呪術の研究で知られ、テレビでも人気者です。けれど8年前にアフリカで娘を亡くし、妻は新興宗教にのめりこんでいました。大生部は奇術師の力を借りて、妻を取り戻そうとします。
横浜の高級住宅街で、大物の弁護士が拷問を受けたうえ殺されます。捜査にあたるのは、横浜地検の新任の女性検事・岩崎紀美子。事件を追ううちに、弁護士の世界の内側と、過去のある事件が浮かびあがってきます。現役の弁護士が書いたリーガルサスペンスです。
休職中の刑事・本間は、遠縁の男から、姿を消した婚約者を探してほしいと頼まれます。調べるうちに、彼女が隠していた過去が浮かびあがります。
1992年の東京で、ひとりの男が謎の死を遂げます。男の名はジャック・モーガン。北アイルランドの武装組織に関わっていた人物でした。
32歳の村野ミロは、親友でノンフィクションライターの宇佐川耀子が、1億円とともに姿を消したことを知ります。ミロは、耀子の恋人で裏社会ともつながりのある成瀬時男に疑われながら、ともに行方を追うことになります。
イスラム革命後のイランを舞台に、2人の日本人とペルシャ人の兄妹の運命が交錯する冒険小説。上下巻。
鎌倉にある奇妙な館「時計館」。建築家・中村青司が設計したこの館で、オカルト雑誌の取材班が交霊会を開きます。ところが霊能者が姿を消し、閉ざされた館の中で連続殺人が始まります。
嵐の夜、雑誌記者の高坂昭吾は、自転車に乗っていた少年・稲村慎司を車に乗せます。慎司は、人の心を読むことができる少年でした。2人はやがて、ある事件に巻きこまれていきます。超能力を持つがゆえの苦しみを描いた、宮部みゆきさんの初期の長編です。
新宿署の刑事・鮫島は、キャリアでありながら組織の中で孤立し、ひとりで捜査を続けています。その執念深さから、裏社会では「新宿鮫」と恐れられていました。歌舞伎町で警官が次々に撃たれる事件が起き、鮫島は銃を密造する男・木津を追います。
元・食品衛生監視員の羽川は、親友の不可解な死をきっかけに、ある不正を追いはじめます。浮かびあがってきたのは、検査をすり抜けて持ちこまれる輸入食品の横流しでした。食の安全をめぐる、真保裕一さんのハードボイルド・ミステリーです。
名門の私立中学で、ある生徒が殺されます。やがて、編集者の父親をもつ中学生が、その事件に関わっていたのではないかという疑いが浮かびます。息子を信じる父親は、真相を探りはじめます。
舞台は私立の女子高校、精華女子高校です。生徒指導の教師が、校内の更衣室で青酸による中毒で死んでいるのが見つかります。「マシン」とあだ名される冷静な数学教師・前島は、自分も命を狙われていると感じながら、事件の真相を探ります。
江戸時代、わずか10か月ほどの間に多くの役者絵を残して姿を消した浮世絵師・東洲斎写楽。その正体をめぐる謎を追う大学の助手・津田のまわりで、浮世絵の世界の人々が次々に殺されていきます。美術史の謎と、現代の事件が絡み合う長編です。
東北の牧場で、競馬評論家の大友隆一と牧場長が撃ち殺され、サラブレッドの母子まで銃で撃たれます。夫の死に疑問を抱いた妻の香苗は、友人の芙美子とともに真相を追いはじめます。やがて2人は、競馬の世界を揺るがす秘密にたどり着きます。
百人一首にも名前のある伝説の歌人・猿丸大夫。その正体と、「いろは歌」に隠された暗号をめぐる歴史ミステリーです。友人の不可解な死をきっかけに、若き日の民俗学者・折口信夫が謎解きに挑みます。
刑務所で知り合った3人の男が、出所後の資金を手に入れるため、紀州の大富豪・柳川とし子刀自の誘拐を計画します。ところが人質になった82歳の刀自は、身代金を100億円に引き上げるよう言い出し、誘拐劇の主導権を握ってしまいます。
交通違反の車を追っていた警察官の目の前で、車に隕石が直撃し、運転していた男が死んでしまいます。男の身元をたどった先は、江戸時代から続く玩具会社の一族。その屋敷で、次々に人が死んでいきます。
1961年、神奈川県の町で、飲食店を営む若い女性が刺し殺されます。逮捕されたのは19歳の工員の少年でした。裁判が進むにつれて、証人たちの言葉から事件の姿が少しずつ変わっていきます。
1970年代のある高校。女子生徒の美雪が「アルキメデス」というひと言を残して亡くなります。その後、同級生の毒殺未遂や行方不明が続き、事件の裏にある若者たちの秘密が浮かびあがってきます。青春ミステリーの先がけと言われる作品です。
植物学を学ぶ兄の仁木雄太郎と、音楽大学に通う妹の悦子。2人が下宿することになった医院で、入院患者やその家族が次々に姿を消し、事件が起こります。現場に出没する一匹の黒猫が、謎の鍵を握っていました。
戦後まもないころ、山奥の豪邸に、作家や画家、女優といった一癖ある人たちが集まります。入り組んだ人間関係の中で、次々に殺人が起こっていきます。すべて同じ犯人の仕業なのか、それとも別々の事件なのか。文豪・坂口安吾が書いた本格ミステリーです。
昭和12年、岡山の旧家・一柳家。かつて本陣(大名が泊まる宿)をつとめた家で、当主の賢蔵の婚礼が行われます。その夜、離れの部屋で、血まみれになった新郎新婦が見つかります。部屋は密室でした。名探偵・金田一耕助が初めて登場する作品です。