1978年の秋、パリ。矢吹駆とナディアは、富豪ダッソー家の晩餐会に招かれます。その夜、運転手の娘サラが人違いで誘拐され、ナディアが身代金を運ぶ役に指名されます。同じころ、ある学院では女性の学院長が銃で撃たれていました。
2020年代 8作
森田みどりは、2人の子を育てながら探偵社で働く私立探偵です。高校生のころから、人が隠している本当の姿を暴くことにとりつかれてきました。
探偵の大塒は、行方が分からなくなった助手を追って、南米ガイアナにある新興宗教の村「ジョーデンタウン」に入りこみます。奇跡を信じる人々のあいだで、不審な死が次々に起こります。
昭和18年、陸軍軍医の妻になった中久世美禰子は、大阪・船場の化粧品商「大鞠家」に嫁ぎます。夫が戦地へ向かったあと、古い商家に残された美禰子の前で、一族を狙った連続殺人が起こります。明治から戦後まで、いくつもの時代が交差する長編です。
昆虫が大好きな心やさしい青年・魞沢泉が、旅先で出会う事件の謎を解いていく5編の連作集です。表題作では、16年前の震災のときに目撃された、行方不明の少女の幽霊の話が語られます。どの話にも、人の悲しみや思いやりが隠れています。
2010年代 12作
慶応3年の京都。尾張藩士の鹿野師光は、のちに初代の司法卿となる江藤新平と出会います。維新の志士の不審な死、密室での刺殺、処刑直前の毒殺。時代が大きく変わる中で起きた不可解な事件を、論理で解いていく5編の連作集です。
IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久が、明治の作家・黒岩涙香が遺したとされる暗号に挑みます。鍵になるのは、いろは48文字をすべて一度ずつ使って作られた「いろは歌」の数々。日本語の仕掛けをとことん突きつめた、言葉のミステリーです。
世界中から死刑囚が集められた、特殊な監獄が舞台です。囚人のひとりで、鋭い頭脳を持つシュルツ老人と、その助手になった青年アラン。2人は監獄の中で起きる不可解な事件に、次々と関わっていきます。
「犯人は○○だよ」。小学5年生の鈴木太郎は、自分を神様だと名のり、事件の犯人をいきなり言い当ててしまいます。同じクラスの探偵団の子どもたちは、その答えが本当かどうか、手がかりを追っていきます。『神様ゲーム』の続きにあたる連作短編集です。
中学生の襟音ママエは、どんな問いにも真実を映して答える「魔法の鏡」を持っています。そのママエの前に、悪知恵の働く探偵・三途川理が立ちはだかります。白雪姫をもとにした設定で、ファンタジーと本格ミステリーを組み合わせた作品です。
密室で事件が起きると、どこからともなく現れて謎を解き、去っていく探偵「密室蒐集家」。警察の中でも都市伝説のように語られる人物です。時代の違う5つの密室事件を描いた短編集で、探偵は何十年たっても年を取らないように見えます。
妖怪たちから「知恵の神」として頼られている少女・岩永琴子と、ある秘密を抱えた青年・桜川九郎。2人の前に、ネットの噂から生まれた怪物「鋼人七瀬」が現れます。琴子が選んだのは、嘘の推理で噂そのものを上書きしてしまう、という奇妙な戦い方でした。
18世紀のロンドン。外科医ダニエルの解剖教室で、手足を切られた少年と顔をつぶされた男の死体が見つかります。捜査にあたるのは、目の見えない治安判事と、その助手たち。ダニエルの弟子たちも巻きこまれながら、事件の真相に迫っていきます。
死に場所を探していた大学生の種田静馬は、信州の山奥の温泉地を訪れます。そこで村の神の後継ぎとなる少女が殺され、片目の少女探偵・御陵みかげが推理に乗り出します。物語は2部に分かれていて、18年後、同じ場所でふたたび事件が起こります。
ネット上で、5人のゲーマーが推理ゲームを楽しんでいます。ただし出題されるのは、出題者自身が実際に起こした殺人です。犯人が誰かは分かっていて、問われるのは「どうやって殺したか」。前作『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編です。
舞台は奈良の山奥、水の神を祀る4つの村です。怪異譚を集めて歩く作家・刀城言耶は、編集者の祖父江偲とともに、久しぶりに行われる雨乞いの儀式に立ち会います。ところがその最中、湖の上で密室状態の殺人が起こり、事件は続いていきます。
2000年代 10作
昭和20年、疎開先の温泉地で、画家を志す少年・本庄究は、ある女性と出会います。そこから戦後、そして平成へ。究の長い人生と、それぞれの時代に起きる3つの「ありえない」事件が絡み合っていく長編です。
英都大学推理小説研究会の部長・江神二郎が、姿を消しました。有栖たち部員は江神を追って、新興宗教「人類協会」の聖地・神倉へ向かいます。ようやく江神と再会したものの、協会の本部「城」の中で殺人事件が起き、一行は外に出られなくなります。
小学5年生の凰介は、母を病気で亡くし、父と2人で暮らしています。やがて、幼なじみの一家にも次々と悲しい出来事が起こります。凰介、父、周りの大人たちと視点を替えながら、それぞれが隠していたことが少しずつ明らかになっていきます。
著名な彫刻家・川島伊作が亡くなる直前に完成させた、娘の江知佳をモデルにした石膏像。その首が何者かに切り取られ、持ち去られます。作家で探偵の法月綸太郎が調べはじめますが、事件は思わぬ方向へ広がっていきます。
主人公の成瀬将虎は、いくつもの仕事を掛け持ちする「何でもやってやろう屋」。知り合いから、ある事故の真相を探ってほしいと頼まれ、調査を始めます。現在と過去の話が行き来しながら進み、最後に大きな仕掛けが待っています。
主人公の「僕」と、同じ高校に通う森野夜。2人は人の死や猟奇的な事件にひそかに惹かれています。ある日、森野が連続殺人犯のものらしい手帳を拾ったことから始まる連作短編集です。
本屋大賞でも上位に入った本格ミステリ大賞受賞作
書店員が選ぶ本屋大賞と、本格ミステリ作家クラブの会員が投票で選ぶ本格ミステリ大賞。選ぶ人も基準も違う2つの賞で、どちらにも名前が挙がった作品です。
- 『黒牢城』米澤穂信:本格ミステリ大賞 第22回/2022年本屋大賞 9位
- 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』相沢沙呼:本格ミステリ大賞 第20回/2020年本屋大賞 6位
- 『屍人荘の殺人』今村昌弘:本格ミステリ大賞 第18回/2018年本屋大賞 3位
- 『容疑者Xの献身』東野圭吾:本格ミステリ大賞 第6回/2006年本屋大賞 4位
山本周五郎賞・直木賞とダブル受賞した本格ミステリ大賞受賞作
- 『地雷グリコ』青崎有吾:本格ミステリ大賞 第24回/山本周五郎賞 第37回
- 『黒牢城』米澤穂信:本格ミステリ大賞 第22回/直木賞 第166回
- 『容疑者Xの献身』東野圭吾:本格ミステリ大賞 第6回/直木賞 第134回
本格ミステリ大賞とは
本格ミステリ大賞は、本格ミステリ作家クラブが2001年に始めた賞です。会員の投票で、その年のすぐれた本格ミステリを選びます。このページでは小説部門の受賞作を載せています。このページでは、受賞作を新しい順に年代ごとに並べています。すべての作品に短い紹介を付けました。
受賞作・回・年は、本格ミステリ作家クラブの「本格ミステリ大賞」のページで確かめました(2026年9月27日)。Kindle版の有無は同じ日にAmazonで確認したもので、変わることがあります。