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新人の純文学に贈られる賞

芥川賞 歴代受賞作一覧

第1回(1935年)〜第175回(2026年上半期)の全189作。Kindle版は122作。本屋大賞とも重なる3作 ↓

2020年代 18作

第175回
2026年上
ゾンビ回収婦小砂川チト
『ゾンビ回収婦』の表紙
ゾンビ回収婦
小砂川チト 著(群像)

AIに仕事を奪われた世界で、ホテルの掃除婦として、殺されたゾンビの亡骸を集めて回る女性の話。現実から少しずれた世界を描いた作品です。

第174回
2025年下
時の家鳥山まこと
『時の家』の表紙
時の家
鳥山まこと 著(群像)

ある家とそこで暮らした人たちの時間を、建物を描くようにして書きとめた作品。人がいた証を残そうとする小説です。

第174回
2025年下
叫び畠山丑雄
『叫び』の表紙
叫び
畠山丑雄 著(新潮)

「先生」に出会った女性が、銅鐸や土地の歴史を学ぶうちに、その土地が抱えてきた過去に触れていく話です。

第172回
2024年下
ゲーテはすべてを言った鈴木結生
『ゲーテはすべてを言った』の表紙
ゲーテはすべてを言った
鈴木結生 著(小説トリッパー)

ゲーテ研究者が、食卓で出会った出典の分からない「ゲーテの名言」を探して、文献と自分の記憶をたどっていく話です。

第171回
2024年上
サンショウウオの四十九日朝比奈秋
『サンショウウオの四十九日』の表紙
サンショウウオの四十九日
朝比奈秋 著(新潮)

一つの身体を分け合って生きる姉妹の日常を描いた作品。隣にいるもう一人の自分とは誰なのか、という問いが続きます。

第171回
2024年上
バリ山行松永K三蔵
『バリ山行』の表紙
バリ山行
松永K三蔵 著(群像)

建物の修繕会社に勤める男が、社内の登山部に入り、道のない山を歩く先輩の「バリ山行」に惹かれていく話です。

第170回
2023年下
東京都同情塔九段理江
『東京都同情塔』の表紙
東京都同情塔
九段理江 著(新潮)

新しい刑務所となる塔の設計を任された建築家を中心に、言葉と社会のあり方を描いた作品です。

第169回
2023年上
ハンチバック市川沙央
ハンチバック
市川沙央 著(文學界)

重い障害をもつ女性の身体と欲望を、本人の強い言葉で描いた作品。発表されたとき大きな話題になりました。

第168回
2022年下
この世の喜びよ井戸川射子
『この世の喜びよ』の表紙
この世の喜びよ
井戸川射子 著(群像)

ショッピングセンターの喪服売り場で働く女性と、フードコートに通う少女の交流を、「あなた」と呼びかける形で描いた作品です。

第168回
2022年下
荒地の家族佐藤厚志
『荒地の家族』の表紙
荒地の家族
佐藤厚志 著(新潮)

大きな災害から十数年、仕事道具も妻も失った植木職人の男が、答えの出ない問いを抱えて生きる姿を描いた作品です。

第167回
2022年上
おいしいごはんが食べられますように高瀬隼子
『おいしいごはんが食べられますように』の表紙
おいしいごはんが食べられますように
高瀬隼子 著(群像)

職場の3人の男女の関係を、食べものをめぐるやりとりから描いた作品。読みやすいのに、あとから不穏さが残ると言われます。

第166回
2021年下
ブラックボックス砂川文次
『ブラックボックス』の表紙
ブラックボックス
砂川文次 著(群像)

自衛隊を辞めて自転車便の仕事をする青年が、自分の中の怒りを抑えられずにいる姿を描いた作品です。

第165回
2021年上
貝に続く場所にて石沢麻依
『貝に続く場所にて』の表紙
貝に続く場所にて
石沢麻依 著(群像)

ドイツの学術都市で暮らす女性のもとに、震災で行方不明になった知人が現れる話。記憶と喪失を描いたデビュー作です。

第165回
2021年上
彼岸花が咲く島李琴峰
『彼岸花が咲く島』の表紙
彼岸花が咲く島
李琴峰 著(文學界)

記憶をなくして島の浜辺に流れ着いた少女と、島の少女の出会いを描いた作品。島で話される独自の言葉が印象に残ります。

第163回
2020年上
首里の馬高山羽根子
『首里の馬』の表紙
首里の馬
高山羽根子 著(新潮)

沖縄の小さな資料館で記録の整理を手伝い、遠くの人たちにクイズを出す仕事もしている女性の話です。

第163回
2020年上
破局遠野遥
『破局』の表紙
破局
遠野遥 著(文藝)

体を鍛え、公務員試験を目指して規則正しく暮らす大学生の日々が、少しずつ崩れていく話です。

受賞作なし:第173回(2025年上半期)

2010年代 25作

第162回
2019年下
背高泡立草古川真人
『背高泡立草』の表紙
背高泡立草
古川真人 著(すばる)

長崎の島にある母の実家の納屋の草刈りに行く一家の話に、その島で過去に生きた人たちの話が重なっていく作品です。

第161回
2019年上
むらさきのスカートの女今村夏子
『むらさきのスカートの女』の表紙
むらさきのスカートの女
今村夏子 著(小説トリッパー)

近所で「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方ない「わたし」が、彼女を自分の職場に誘いこむ話です。

第160回
2018年下
ニムロッド上田岳弘
『ニムロッド』の表紙
ニムロッド
上田岳弘 著(群像)

仮想通貨を「採掘」する仕事をする男と、恋人、小説家になれなかった同僚の3人を描いた作品です。

第160回
2018年下
1R1分34秒町屋良平
『1R1分34秒』の表紙
1R1分34秒
町屋良平 著(新潮)

デビュー戦に勝ったあと負けが込んでいるプロボクサーが、新しいトレーナーと次の試合に向かう話です。

第159回
2018年上
送り火高橋弘希
『送り火』の表紙
送り火
高橋弘希 著(文學界)

東北の山あいの町に転校した中学3年生の少年が、同級生たちの暴力的な遊びに巻きこまれていく話です。

第158回
2017年下
百年泥石井遊佳
『百年泥』の表紙
百年泥
石井遊佳 著(新潮)

南インドの街で日本語を教える女性が、百年に一度の洪水が残した泥の中から、さまざまな記憶が現れるのを見る話です。

第158回
2017年下
おらおらでひとりいぐも若竹千佐子
『おらおらでひとりいぐも』の表紙
おらおらでひとりいぐも
若竹千佐子 著(文藝)

夫に先立たれて一人で暮らす74歳の桃子さんの頭の中で、東北弁の声たちがにぎやかに話しはじめる作品。映画にもなりました。

第157回
2017年上
影裏沼田真佑
『影裏』の表紙
影裏
沼田真佑 著(文學界)

会社の出向で岩手に移り住んだ男が、釣り仲間になった同僚のことを思い返す話。震災が背景にあります。

第156回
2016年下
しんせかい山下澄人
『しんせかい』の表紙
しんせかい
山下澄人 著(新潮)

19歳の青年が、北の「谷」で俳優や脚本家を目指す若者たちと自給自足の共同生活を送る話です。

第154回
2015年下
異類婚姻譚本谷有希子
『異類婚姻譚』の表紙
異類婚姻譚
本谷有希子 著(群像)

専業主婦の「私」が、ある日、自分の顔が夫の顔とそっくりになっていることに気づく話です。

第154回
2015年下
死んでいない者滝口悠生
『死んでいない者』の表紙
死んでいない者
滝口悠生 著(文學界)

大往生した男の通夜に集まった親戚たちの一晩を、何人もの視点から描いた作品です。

第153回
2015年上
スクラップ・アンド・ビルド羽田圭介
『スクラップ・アンド・ビルド』の表紙
スクラップ・アンド・ビルド
羽田圭介 著(文學界)

「早く死にたい」とこぼす祖父の願いをかなえようと、孫の健斗がある計画を思いつく話です。

第152回
2014年下
九年前の祈り小野正嗣
『九年前の祈り』の表紙
九年前の祈り
小野正嗣 著(群像)

幼い息子を連れて、海辺の小さな集落に戻ってきた女性の話。表題作ほか、同じ土地を舞台にした作品が収められています。

第151回
2014年上
春の庭柴崎友香
『春の庭』の表紙
春の庭
柴崎友香 著(文學界)

取り壊しの近いアパートに住む男が、隣の家に強い関心をもつ女性と知り合う話です。

第150回
2013年下
小山田浩子
『穴』の表紙
小山田浩子 著(新潮)

夫の田舎に移り住んだ女性が、黒い獣を追って土手の穴に落ちたことから、不思議な出来事に出会っていく話です。

第149回
2013年上
爪と目藤野可織
『爪と目』の表紙
爪と目
藤野可織 著(新潮)

父の再婚相手を、三歳の娘が「あなた」と呼んで語っていく作品。静かで怖い話として知られます。

第148回
2012年下
abさんご黒田夏子
『abさんご』の表紙
abさんご
黒田夏子 著(早稲田文学)

昭和の家庭に生まれた一人の子どもの成長を、固有名詞をほとんど使わない独特の書き方で描いた作品。75歳の作者のデビュー作として話題になりました。

第147回
2012年上
冥土めぐり鹿島田真希
『冥土めぐり』の表紙
冥土めぐり
鹿島田真希 著(文藝)

母と弟から逃れて結婚した女性が、夫と一緒に、子どものころ家族で訪れた海辺のホテルを再び訪ねる話です。

第146回
2011年下
共喰い田中慎弥
『共喰い』の表紙
共喰い
田中慎弥 著(すばる)

17歳の遠馬が、暴力をふるう父と同じ血が自分にも流れているのではないかと恐れる話。重い場面を含みます。

第146回
2011年下
道化師の蝶円城塔
『道化師の蝶』の表紙
道化師の蝶
円城塔 著(群像)

架空の言語で書かれた小説と、多言語作家をめぐる話が連なっていく、実験的な作品です。

第144回
2010年下
苦役列車西村賢太
『苦役列車』の表紙
苦役列車
西村賢太 著(新潮)

19歳で日雇いの仕事を続ける北町貫多の、劣等感と怒りに満ちた日々を描いた私小説です。

第144回
2010年下
きことわ朝吹真理子
『きことわ』の表紙
きことわ
朝吹真理子 著(新潮)

葉山の別荘で同じ時間を過ごした2人の少女が、25年後、別荘の解体をきっかけに再会する話です。

第143回
2010年上
乙女の密告赤染晶子
『乙女の密告』の表紙
乙女の密告
赤染晶子 著(新潮)

外国語大学でドイツ語のスピーチコンテストに向けて『アンネの日記』を暗記する女子学生と、学内の噂をめぐる話です。

受賞作なし:第145回(2011年上半期)

2000年代 22作

第141回
2009年上
終の住処磯崎憲一郎
終の住処
磯崎憲一郎 著(新潮)

ある男と妻の、結婚してからの長い年月を、時間を大きく飛び越えながら描いた作品です。

第140回
2008年下
ポトスライムの舟津村記久子
『ポトスライムの舟』の表紙
ポトスライムの舟
津村記久子 著(群像)

工場で働く29歳のナガセが、年収と同じ額の世界一周旅行に心を動かされる話。働くことを描いた小説です。

第139回
2008年上
時が滲む朝楊逸
『時が滲む朝』の表紙
時が滲む朝
楊逸 著(文學界)

中国の村から大学に進んだ2人の若者が、天安門事件のあと、それぞれの道を歩いていく話です。

第138回
2007年下
乳と卵川上未映子
『乳と卵』の表紙
乳と卵
川上未映子 著(文學界)

豊胸手術を受けたいと思いつめる姉と、言葉を話さなくなった姪が、大阪から東京の妹のもとへやって来る話です。

第137回
2007年上
アサッテの人諏訪哲史
『アサッテの人』の表紙
アサッテの人
諏訪哲史 著(群像)

行方をくらました叔父が残したノートから、彼の言葉へのこだわりをたどっていく作品です。

第135回
2006年上
八月の路上に捨てる伊藤たかみ
『八月の路上に捨てる』の表紙
八月の路上に捨てる
伊藤たかみ 著(文學界)

離婚を控えた男が、自動販売機に飲みものを補充する仕事の車内で、同僚に結婚生活のいきさつを話していく話です。

第134回
2005年下
沖で待つ絲山秋子
『沖で待つ』の表紙
沖で待つ
絲山秋子 著(文學界)

同期入社の友人が亡くなり、生前の約束を守るため、彼の部屋に忍びこむ女性の話です。

第133回
2005年上
土の中の子供中村文則
『土の中の子供』の表紙
土の中の子供
中村文則 著(新潮)

子どものころ親に捨てられ、暴力を受け続けた記憶を抱えるタクシー運転手の話です。

第132回
2004年下
グランド・フィナーレ阿部和重
『グランド・フィナーレ』の表紙
グランド・フィナーレ
阿部和重 著(群像)

家族も仕事も失った男が、故郷の町に戻ってからの日々を描いた作品です。

第131回
2004年上
介護入門モブ・ノリオ
『介護入門』の表紙
介護入門
モブ・ノリオ 著(文學界)

寝たきりの祖母を自宅で介護する29歳の男の日々を、勢いのある語りで描いた作品です。

第130回
2003年下
蹴りたい背中綿矢りさ
『蹴りたい背中』の表紙
蹴りたい背中
綿矢りさ 著(文藝)

クラスの余り者同士のハツと、アイドルに夢中な同級生・にな川の、友情とも恋ともつかない関係を描いた作品。同時受賞の『蛇にピアス』とともに、史上最年少の受賞として話題になりました。

第130回
2003年下
蛇にピアス金原ひとみ
『蛇にピアス』の表紙
蛇にピアス
金原ひとみ 著(すばる)

舌を二つに割る「スプリットタン」の男と出会った19歳のルイが、身体の改造にのめりこんでいく話です。

第129回
2003年上
ハリガネムシ吉村萬壱
『ハリガネムシ』の表紙
ハリガネムシ
吉村萬壱 著(文學界)

高校の倫理教師が、アパートに押しかけてきた女性と暮らしはじめ、少しずつ崩れていく話です。

第128回
2002年下
しょっぱいドライブ大道珠貴
『しょっぱいドライブ』の表紙
しょっぱいドライブ
大道珠貴 著(文學界)

港町で暮らす34歳の女性が、頼りない老人と一緒に暮らすようになるまでの話です。

第127回
2002年上
パーク・ライフ吉田修一
『パーク・ライフ』の表紙
パーク・ライフ
吉田修一 著(文學界)

公園のベンチで、地下鉄で話しかけてしまった女性と再会した男の、昼休みのような日々を描いた作品です。

第126回
2001年下
猛スピードで母は長嶋有
『猛スピードで母は』の表紙
猛スピードで母は
長嶋有 著(文學界)

小学6年生の慎が、結婚をほのめかす母や、その恋人らしき男と向き合う日々を描いた作品です。

第125回
2001年上
中陰の花玄侑宗久
中陰の花
玄侑宗久 著(文學界)

亡くなった霊能者の老女をきっかけに、僧侶がこの世とあの世のあいだについて考えていく話です。

第124回
2000年下
熊の敷石堀江敏幸
『熊の敷石』の表紙
熊の敷石
堀江敏幸 著(群像)

フランスに滞在中の男が、旧友との再会と小さな旅の中で、人とのつながりについて考える話です。

第124回
2000年下
聖水青来有一
『聖水』の表紙
聖水
青来有一 著(文學界)

死の近い父が、詐欺師と呼ばれる幼なじみに救いを求める話。長崎を舞台にした作品です。

第123回
2000年上
花腐し松浦寿輝
『花腐し』の表紙
花腐し
松浦寿輝 著(群像)

地上げ屋になった中年の男が、古いアパートに居座る奇妙な男と酒を飲みながら、過去を思い出していく話です。

第123回
2000年上
きれぎれ町田康
『きれぎれ』の表紙
きれぎれ
町田康 著(文學界)

働くのが嫌いで、金に困っている絵描きの「俺」の日々を、勢いのある語りで描いた作品です。

受賞作なし:第142回(2009年下半期)

1990年代 22作

受賞作なし:第121回(1999年上半期)、第118回(1997年下半期)、第112回(1994年下半期)

1980年代 16作

受賞作なし:第101回(1989年上半期)、第96回(1986年下半期)、第95回(1986年上半期)、第93回(1985年上半期)、第91回(1984年上半期)、第89回(1983年上半期)、第87回(1982年上半期)、第86回(1981年下半期)、第83回(1980年上半期)

1970年代 27作

受賞作なし:第80回(1978年下半期)、第76回(1976年下半期)、第71回(1974年上半期)、第65回(1971年上半期)

1960年代 18作

受賞作なし:第60回(1968年下半期)、第55回(1966年上半期)、第52回(1964年下半期)、第48回(1962年下半期)、第45回(1961年上半期)

1950年代 17作

受賞作なし:第42回(1959年下半期)、第40回(1958年下半期)、第36回(1956年下半期)、第30回(1953年下半期)、第27回(1952年上半期)、第24回(1950年下半期)

1940年代 12作

受賞作なし:第15回(1942年上半期)、第11回(1940年上半期)

1930年代 12作

受賞作なし:第2回(1935年下半期)

本屋大賞でも上位に入った芥川賞受賞作

書店員が選ぶ本屋大賞と、作家が選考委員を務める芥川賞。選ぶ人も基準も違う2つの賞で、どちらにも名前が挙がった作品です。

芥川賞とは

芥川賞(芥川龍之介賞)は、日本文学振興会が年に2回選ぶ文学賞です。雑誌に発表された、新進作家による純文学の中編・短編が対象です。このページでは、受賞作を新しい順に年代ごとに並べています(受賞作なしの回が33回あります)。2000年以降の作品には短い紹介を付けました。

受賞作・回・出版社(掲載誌)は、主催する日本文学振興会の受賞者一覧で確かめました(2026年9月24日)。Kindle版の有無は同じ日にAmazonで確認したもので、変わることがあります。

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