主人公は75歳の日高桃子さん。夫を亡くし、子どもたちも離れていき、いまはひとりで暮らしています。そんな桃子さんの頭の中では、東北の言葉で話すたくさんの声が、にぎやかにしゃべり続けている。桃子さんは、その声と一緒に、自分の生きてきた道をふり返っていきます。
東北弁のリズムが心地いい、という感想が多い本です。桃子さんの一言一言に、人生のヒントのようなものが詰まっていて、ひとりで生きることの寂しさと自由の両方を感じた、という声が並びます。年を重ねてから読むと、もっと響きそうだ、という人もいました。作者の若竹千佐子さんは、63歳でこの作品を書いてデビューしています。
東北弁になじみがなくて読みにくい、現実と頭の中の声の区別がつきにくい、という声もあります。大きな出来事が起きないので退屈に感じた人もいました。自分の親や、この先の自分のことを思い浮かべながら読むと、ぐっと身近になる本です。
ブクログに感想が寄せられています。映画化もされました。第158回は、石井遊佳『百年泥』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。