デビュー戦をKOで勝ったものの、そのあとは3敗1分けと負けが込んでいるプロボクサーの「ぼく」。次の試合の相手の動画を何度も見て、あれこれ考えすぎてしまう。そんな「ぼく」に、新しいトレーナーとしてウメキチがつきます。
ボクシングを題材にしながら、描かれているのは「ぼく」の頭の中の揺れです。爽やかなスポーツ小説を想像すると、悩みや迷いの濃さに驚くかもしれません。ウメキチとの関係がいい、という感想がとても多く、短いのに密度が濃い、読みながら「報われてくれ」と願ってしまった、という声もありました。
主人公の考えがそのまま流れていくような文章なので、読みにくい、すっと入ってこない、と感じた人もいます。好みが分かれるタイプの作品ですが、何かに行き詰まっている時期の人ほど響く、と受け止める人もいます。
ブクログに感想が寄せられています。第160回は、上田岳弘『ニムロッド』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。