IT企業で、会社のサーバーを使って仮想通貨を掘りあてる仕事をしている中本哲史。恋人は外資系の証券会社で働く田久保紀子。そして、小説家を目指していた会社の先輩、通称ニムロッド。ニムロッドから中本に送られてくるのは、人類が作ってきた「駄目な飛行機」の話と、書きかけの小説でした。
ビットコインの仕組みが分かって面白かった、という感想がある一方で、心に残ったのは、読み終えたあとにじんわりこみ上げてくる不思議な感覚だった、という人が多いようです。三人それぞれの孤独が、仮想通貨という目に見えない価値の話と重なっていく。泣きそうになった、という声もありました。
話が分かりにくい、つかみどころがない、という声は少なくありません。全体にむなしさが漂っていて、読後感が重く感じた人もいます。仮想通貨やITの話に少しでも関心があると、入りやすいかもしれません。
ブクログに感想が寄せられています。第160回は、町屋良平『1R1分34秒』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。