江戸時代、5歳で視力を失いながら、膨大な書物を集めた『群書類従』を編んだ国学者・塙保己一。妻や仲間、弟子たちとの葛藤から、その人生を描きます。
2020年代 7作
「お嬢」と呼ばれた与党の女性議員が亡くなった。自殺か、それとも――。政治部の記者、野党の議員、秘書、地方議員が、それぞれの立場から真相に迫ります。
神山藩の筆頭家老・黛家の三男、新三郎。大目付の家への婿入りをきっかけに藩の政に関わりはじめ、やがて兄弟を巻きこむ大きな事件が起こります。
税理士の栗須栄治は、人材派遣会社の社長・山王耕造の秘書となり、馬主の世界に足を踏み入れます。父から子へ、馬の血と人の思いが受け継がれる20年の物語。
2010年代 11作
50代で地元に戻った青砥は、病院の売店で中学の同級生・須藤と再会します。互いを「互助会」と呼び合いながら重ねていく、大人の日々。
1950年代から70年代のカンボジア。ポル・ポト政権の時代を生きる少女ソリヤと少年ムイタックを軸に描く、上下巻の長編。
人と触れ合うのが苦手な大学生・富山は、休学して金沢八景でひとり暮らしを始めます。深夜のコンビニのバイトと深夜ラジオの日々の中で、少しずつ変わっていく青春小説。
海辺の町・鼻崎町で、車椅子の少女をきっかけに3人の女性が支援の活動を始めます。善意から始まった活動が、やがて疑いと事件を呼びこむ心理ミステリー。
30歳の商社員・栄利子と、同い年の主婦ブロガー・翔子。偶然出会って友だちになった2人の関係が、思いもよらない方向へ進んでいきます。
作家の「私」のもとに、マンションの部屋で妙な音がするという手紙が届きます。同じ土地で起きた出来事を過去へさかのぼって調べていく、記録のような形のホラー。
若い女性を狙い、人差し指を切り取る連続殺人犯「指蒐集家」。警視庁捜査一課の刑事・西條は捜査にのめりこむあまり、窮地に追いこまれていきます。
認知症の母と暮らす男、罪を抱えた幼い兄妹。6つの章の登場人物が少しずつつながっていく連作集です。
2000年代 15作
週刊誌の編集長カワバタは、大物政治家のスキャンダルを追う中で、ある女性と出会い、自らの人生も揺らいでいきます。上下巻の長編。
ホテルの中庭で起きた死と、それを題材にした舞台。劇中劇が入れ子のように重なり、どこまでが芝居でどこからが現実なのかが揺らいでいきます。
壇ノ浦に沈んだ幼い安徳天皇をめぐり、若き詩人王と、元の使者マルコ・ポーロの物語が海と時を越えてつながっていく幻想的な歴史小説。
リストラを請け負う会社で働く面接官・村上真介が、さまざまな会社の社員と面談を重ねる連作短編集。
幽霊の役ばかりを演じる役者・小平次と、その妻お塚。2人を中心に、江戸の人々の思いが絡み合っていく時代小説。
東京の2LDKで共同生活を送る若者4人。そこへ見知らぬ青年が加わり、穏やかに見えた暮らしの裏側が少しずつ見えてきます。
安全でも適切でもない人生のなかで、愛することだけはためらわない女性たちを描いた10編の短編集。
江戸を舞台に、市井の片隅で生きる男女の人生の転機を描いた5編の時代小説集。
深夜の書店で出会った会社員のとく子と、若い作家の塁。互いに傷つけ合いながらも離れられない、2人の女性の激しい恋を描きます。
岡山を舞台にした4編のホラー短編集。表題作では、遊郭の女郎が客に語る身の上話から、壮絶な過去が明かされていきます。
1990年代 11作
ニュータウンで続いた通り魔事件の犯人は、同じクラスの少年だった。中学2年生のエイジの目を通して、思春期の揺れる気持ちを描きます。
1930年ごろの大阪。巨体と暴力で周りを支配する男・金俊平の激しい生涯を描いた大作。上下巻。
豪農の跡取り・輝和は、ネパール人の女性と結婚します。やがて妻は不思議な力を見せはじめ、輝和は家も財産も失っていきます。
家族が子どもに殺されたように見える事件が続く。刑事、教師、相談員らの視点から、家族の抱える闇に迫る長編。のちに5部作の文庫版として大きく書き直されました。
精神科の閉鎖病棟で暮らす、重い過去を抱えた患者たち。精神科医でもある著者が、彼らの日々とある事件を描きます。
昭和9年の冬、スランプに陥った江戸川乱歩が、麻布のホテルに身を隠して短編を書き上げるまでの数日間を描いた小説。
休職中の刑事・本間は、遠縁の男から、姿を消した婚約者を探してほしいと頼まれます。調べるうちに、彼女が隠していた過去が浮かびあがります。
イスラム革命後のイランを舞台に、2人の日本人とペルシャ人の兄妹の運命が交錯する冒険小説。上下巻。
川辺で出会った男が石に描く鳥の絵から始まる、6つの短編。狩猟と野鳥を題材にした、静かなハードボイルド。
1980年代 2作
海辺の町の旅館で育ったまりあが、病弱でわがままな従妹・つぐみと過ごした最後の夏をふり返る物語。
離婚したばかりの脚本家・原田は、浅草で、12歳のときに亡くした両親にそっくりな2人と出会います。
本屋大賞でも上位に入った山本周五郎賞受賞作
書店員が選ぶ本屋大賞と、作家が選考委員を務める山本周五郎賞。選ぶ人も基準も違う2つの賞で、どちらにも名前が挙がった作品です。
- 『満願』米澤穂信:山本周五郎賞 第27回/2015年本屋大賞 7位
- 『楽園のカンヴァス』原田マハ:山本周五郎賞 第25回/2013年本屋大賞 3位
- 『ふがいない僕は空を見た』窪美澄:山本周五郎賞 第24回/2011年本屋大賞 2位
- 『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎:山本周五郎賞 第21回/2008年本屋大賞 大賞
- 『夜は短し歩けよ乙女』森見登美彦:山本周五郎賞 第20回/2007年本屋大賞 2位
- 『明日の記憶』荻原浩:山本周五郎賞 第18回/2005年本屋大賞 2位
直木賞とダブル受賞した山本周五郎賞受賞作
- 『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子:山本周五郎賞 第36回/直木賞 第169回
- 『テスカトリポカ』佐藤究:山本周五郎賞 第34回/直木賞 第165回
- 『邂逅の森』熊谷達也:山本周五郎賞 第17回/直木賞 第131回
山本周五郎賞とは
山本周五郎賞は、新潮文芸振興会が主催し、1988年から年に1回選ばれている文学賞です。すぐれた物語性をもつ小説・文芸書が対象で、ミステリーや時代小説、恋愛小説まで幅広い作品が受賞しています。このページでは、受賞作を新しい順に年代ごとに並べています。すべての作品に短い紹介を付けました。
受賞作・回・年は、新潮社の「山本周五郎賞 過去の受賞作」で確かめました(2026年9月24日)。Kindle版の有無は同じ日にAmazonで確認したもので、変わることがあります。