ホテルの中庭で、ある脚本家が亡くなりました。その出来事と、舞台で演じられる芝居と、現実の事件の捜査とが、入れ子のように重なっていきます。登場人物は最初、名前ではなく立場や番号で呼ばれ、読み進めるうちに誰なのかが分かってくる仕掛けです。
凝った構成を楽しんだ人から、「人は日々、自分を演じている」というテーマに引かれた人まで、読み方はさまざまです。謎がつながっていく感触が最高だった、という感想もありました。解説で紹介されている、色分けしながら読み直す方法を試した人もいます。
恩田陸さんの作品の中でも、とくに評価が割れる一冊です。途中で理解するのをあきらめた、同じ場面の繰り返しが退屈だった、という感想も少なくありません。謎解きのすっきり感を求めるより、一度読んでからもう一度読む本だと考えたほうがよさそうです。
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受賞作・回・年は新潮社の「山本周五郎賞 過去の受賞作」によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。