メキシコの麻薬カルテルの幹部だったバルミロが国を追われ、インドネシアを経て日本へ流れ着く。そこで臓器売買に手を染めた日本人医師と組み、とんでもない商売を始めます。もう一人の主人公は、川崎で生まれた少年・コシモ。二人の人生が交わるところで、アステカの神話が現代の犯罪と重なっていきます。
まず語られるのは、文章の力です。700ページ近くあるのに一気に読んでしまった、圧倒された、という感想がとても多い。古代の神話と現代の裏社会を結びつけた構想の大きさに、ほかでは読んだことのない小説だった、と驚く人もいます。
暴力の描写はかなり激しく、「えぐい」「生々しくて読むのがつらい」という声は少なくありません。スペイン語やナワトル語の言葉がたくさん出てくるので、読みにくかったという人もいます。刺激の強い犯罪小説が苦手な人は、少し覚悟して読んだほうがいい本です。逆にそこを受け止められる人には、忘れられない一冊になっているようです。
ブクログでは8,000人以上が本棚に登録しています。第165回は、澤田瞳子『星落ちて、なお』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。