東日本大震災から半年ほどたった仙台で、仕事を失った男が一匹の犬に出会います。犬の名前は多聞。多聞はなぜか南へ向かって旅を続けていて、行く先々で、事情を抱えた人たちと短い時間を過ごしていきます。一話ごとに飼い主が変わる連作の形です。
犬好きの人の感想が本当に多い本で、「人にとって犬は特別な存在なのだ」とあらためて思った、という声が並びます。どの話でも、多聞がそばにいることで人が少し救われる。そして最後の話で、多聞が旅をしていた理由が分かったところで泣いた、という人がたくさんいます。
多聞と出会った人の多くに、つらい別れが訪れます。そこが悲しすぎる、多聞が守り神というより別れを運んでくる存在に見えた、という声もありました。結末ができすぎていると感じた人もいます。それでも、読みやすく、短い時間で読めて、しっかり心が動く本として人気があります。
ブクログでは7,000人以上が本棚に登録していて、評価は4点台です。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。