神山藩で筆頭家老を務める黛家の三男、新三郎は17歳。兄たちとは少し距離を置いて穏やかに暮らしていましたが、大目付の黒沢家へ婿に入ったことで、藩の政を学びはじめます。やがて黛家をゆるがす事件が起き、3人の兄弟の運命が変わっていきます。物語は、若いころと13年後の2部に分かれています。
文章が美しく、それでいて読みやすい、という感想が多い本です。自然の描写が無駄なく差しこまれている、という声もありました。後半にかけてはミステリーのような逆転もあり、先を読みたくなった、という人が目立ちます。清濁をあわせのんでいく主人公の変わり方に味わいがある、とほめる声もありました。
序盤は大きな動きが少なく、なじむまで時間がかかった人がいます。同じ神山藩が舞台の前作『高瀬庄左衛門御留書』のほうが好き、という感想もありました。兄弟の関係が後半で複雑になっていくところは、好みが分かれています。
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受賞作・回・年は新潮社の「山本周五郎賞 過去の受賞作」によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。