昭和9年の冬。40歳の江戸川乱歩は、書けなくなって、麻布のホテルに身を隠します。そこで出会った美しい中国人の青年や、探偵小説好きのアメリカ人女性と関わりながら、乱歩は「梔子姫」という短編を書きはじめます。史実の上に想像を重ねた、数日間の物語です。
人間くさい乱歩がいい、という感想が多い本です。作中で書かれる「梔子姫」がとても妖しく美しい、とほめる声も目立ちました。昭和初めの独特の空気が伝わってくる、という人もいます。
語りが饒舌で読みにくい、という感想があります。乱歩を少し滑稽に描いているところや、耽美で倒錯的な描写は、好みが分かれるところです。乱歩の作品を読んでいると、より楽しめる本だと思います。
ブクログでは約390人が本棚に登録しています。著者の久世光彦さんは、テレビドラマの演出家としても知られています。
受賞作・回・年は新潮社の「山本周五郎賞 過去の受賞作」によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。