小平次は、幽霊の役ばかりを演じる売れない役者です。妻のお塚には疎まれ、家では押し入れにこもって、襖のすきまから妻を見つめています。そんな2人のまわりに、それぞれ事情を抱えた人々が集まり、思いが複雑に絡み合っていきます。京極夏彦さんの「巷説百物語」シリーズの人物も顔を見せます。
切なくて報われない思いを、細やかに描いた作品として読まれています。文章の力に引きこまれた、という感想が多く、登場人物の人生が絡み合っていく構成を見事だとほめる声もありました。主人公は何もしないのに、まわりが勝手に動いていく、という形が面白いと受け止めた人もいます。
前半はひたすら暗く、共感しにくいという声があります。小平次がほとんど動かないので退屈だった、という人もいました。夫を嫌いながら離れないお塚の気持ちが分からない、という感想もあります。
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受賞作・回・年は新潮社の「山本周五郎賞 過去の受賞作」によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。