姉が妊娠した。一緒に暮らす妹の「わたし」は、その日から姉の体の変化や、つわりに苦しむ様子を、日記のように淡々と書きとめていきます。表題作のほかに「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」が入っています。
「無機質なのに美しい文章」という感想がとてもよく似合う本です。妹の観察は静かで冷ややかで、その底に、ほんのりとした悪意がのぞく。背筋がぞくっとするような怖さに魅了された、という声がたくさんあります。好きな話としては、表題作と「ドミトリイ」の名前がよく挙がっていました。
もやもやした余韻が残り、どう受け取ればいいのか分からなかった、という人もいます。はっきりした答えを求めると、落ち着かないまま終わる本です。小川洋子さんの『博士の愛した数式』とはまた違う、静かな怖さを味わいたい人に向いています。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。