ある老人が亡くなり、その通夜に子どもや孫、ひ孫たちが集まってきます。故人との思い出話、久しぶりに顔を合わせた親戚どうしのぎこちない会話、子どもたちの遊び。一晩のあいだ、大勢の親族の頭の中を、語りの視点がふわりふわりと移っていきます。
たくさんの人が登場する群像劇として、とてもよくできている、という感想が多く見られます。お葬式という特別な時間の中で、ばらばらに暮らしてきた家族の関係が見えてくる。読み終えて「とても大きな小説を読んだ」と感じた人もいました。誰かの考えから別の誰かの考えへ、視点が自然に移っていく書き方が、人の心の動きに近い、という声もあります。
登場人物が多すぎて把握できない、という声は本当に多いです。家系図がほしかった、という人もいました。会話にかぎかっこを使わない書き方にもなじめなかった人がいます。細かい関係は気にせず、親戚の集まりの空気に身をまかせて読むのがよさそうです。
ブクログに感想が寄せられています。第154回は、本谷有希子『異類婚姻譚』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。