35歳のさなえは、カナダ人の父親を持つ幼い息子・希敏を連れて、九州の海辺の小さな集落に帰ってきます。息子はささいなことで激しく泣き叫び、さなえは疲れ果てている。そんなとき、9年前に集落の年配の女性たちとカナダへ旅行したときのこと、そして一緒だった「みっちゃん姉」のことが思い出されます。表題作を含む短編5つが入っています。
痛みとやさしさに満ちた母と子の話だ、という受け止め方が多く見られます。集落の人間関係のしがらみに息苦しさを感じながらも、読み終えると子どものころの記憶をたどったような気持ちになった、という人もいました。収められた短編どうしが、同じ土地の話として少しずつつながっているところがうまい、という声もあります。
評価は割れていて、文章が難しくて流し読みしてしまった、という人もいます。方言や、集落の古い空気の描写を重苦しく感じた人もいました。静かな短編をゆっくり読みたいときに向いています。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。