東京の日比谷公園。昼休みにふらりと公園へやってくる会社員の「ぼく」は、地下鉄の中でうっかり話しかけてしまった女性と、公園でふたたび顔を合わせます。名前も知らないまま、スターバックスのコーヒーを手にした彼女と、公園で少しずつ言葉を交わすようになる。もう一編の「flowers」は、東京に出てきて飲料水の配達をする男が、職場の人間関係に振り回されていく話です。
「公園を散歩しているような気分になる小説」という感想がよく似合う本です。穏やかな日常の中に、ほんの少しだけ非日常が混じる。そのぼんやりした心地よさがいい、という声が多く、5月ごろの気候に読むとぴったりだ、という人もいました。二人の距離感がいい、という声も目立ちます。
「で、だから何?」と感じた、何も起こらなくて物足りない、という感想もたくさんあります。終わり方がもやっとしている、という声もありました。筋を追うより、昼休みの公園の空気を味わうつもりで読むのがいいと思います。
ブクログでは7,000人以上が本棚に登録しています。吉田修一さんは、のちに『悪人』『国宝』などでも広く読まれる作家です。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。