舞台は長崎。隠れキリシタンの歴史と、原爆の記憶が重なる土地で、信じることと人の欲望がぶつかり合う話です。表題作を含む4つの短編が入っています。表題作の「聖水」では、死を前にした人と、ある「水」にすがる人たちの姿が描かれます。
信じることの尊さと愚かさを、両方掘り下げているところがいい、という感想が見られます。長崎の風景の描写が細やかで、読みごたえがある、という声もありました。何を信じるかという問いと、いつもそばにある死。長崎という土地だからこそ書ける話だ、と受け止めた人もいます。
長崎の歴史やキリスト教についてある程度知らないと、分かりにくいところがあります。観念的で難しい、少し怖さを感じた、という人もいました。長崎を訪ねたことがある人や、隠れキリシタンの歴史に興味がある人に向いている本です。
ブクログに感想が寄せられています。第124回は、堀江敏幸『熊の敷石』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。