大阪の、在日コリアンが多く暮らす町。70代半ばのソバンは、若いころ戦争に行き、そこで右の手首を失いました。いまは町の片隅で静かに暮らしていますが、あるきっかけで、封じこめていた過去がよみがえってきます。
感想で語られているのは、抑えた書き方の中から伝わってくる、主人公の心の奥です。静かな日常の底に、張りつめたものが潜んでいる。「静かな殺意を感じる」という言い方をした人もいました。自分の知らなかった人生や視点にふれた、という声もあります。
評価は低めに出ています。難しくて上級者向けだ、もう一歩踏みこんだ場面がほしかった、という声がありました。短い作品なので、じっくり一文ずつ読むのが合っていると思います。
ブクログに感想が寄せられています。第122回は、藤野千夜『夏の約束』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。