女学校で理科を教えるサナダヒワ子は、公園へ向かう途中の藪で、蛇を踏んでしまいます。すると蛇は人の姿になって、ヒワ子の部屋に住みつく。「あなたのお母さんよ」と名乗り、夕ごはんを作って帰りを待っている。そんな奇妙な暮らしが始まります。表題作のほかに「消える」「惜夜記」が入っています。
現実と現実でないものの境目があいまいな世界に惹かれた、という感想が多い本です。昔話やおとぎ話のような雰囲気があり、「うそばなし」という言葉がよく似合う、という人もいました。わかるようで分からない。それでも、ただ淡々と話が進んでいく感じが心地いい、という声もあります。
意味が分からない、設定についていけなかった、という声は少なくありません。蛇そのものが苦手で読むのがつらかった、という人もいました。とくに「惜夜記」は、世界に入りこめなかった人が多いようです。川上弘美さんの『センセイの鞄』などとはまた違う、不思議な味わいの作品です。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。