ドイツの大学町ゲッティンゲンで暮らす主人公のもとに、東日本大震災で行方が分からなくなった知人が、ふいに姿を現します。死者との再会をきっかけに、街の記憶と人の記憶が重なり合い、少しずつ形を変えていきます。
美しい文章に惹かれた、という声が多い本です。惑星の軌道をはじめ、ひとつひとつの比喩が丁寧に組み立てられていて、読み終えたあとに長い余韻が残る。難しいけれど、とても好きだった、という感想もありました。
正直に言うと、かなり難しい本です。時間の流れがつかみにくい、人物どうしの関係があいまい、一度読んだだけではとても消化しきれない、という声が並びます。筋を追おうとするより、文章の流れに身をまかせるつもりで読むのが合っていると思います。
ブクログに感想が寄せられています。第165回は、李琴峰『彼岸花が咲く島』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。