主人公の陽介は大学4年生。ラグビー部で後輩を指導し、公務員試験の勉強をしながら、恋人とも付き合っている。筋トレも欠かさない、まじめで礼儀正しい青年です。ところが、その陽介の頭の中をのぞいていくと、何かがおかしい。
淡々とした語りから伝わってくる、主人公の空っぽさに背筋が寒くなった、という感想が多い本です。ルールや「こうあるべき」には忠実なのに、自分の気持ちがどこにもない。その不気味さを、ゾンビのようだ、と表現した人もいます。文章はシンプルで読みやすく、短時間で読み終えられる、という声もありました。
読後感はよくありません。つかみどころのない主人公に最後まで違和感が残った、性の描写や不気味さが不快だった、という人もいます。何を感じるかは読む人しだい、という本ですが、読んだ人どうしで話が盛り上がりそうな一冊です。
ブクログでは1,900人以上が本棚に登録しています。第163回は、高山羽根子『首里の馬』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。