独身の会社員・山村英夫は、戦後の色街で働く道子のもとへ通ううちに、自分でも気づかないまま、彼女に心を寄せていきます。けれど英夫は、その気持ちを理性で抑えこもうとする。男女のあいだの、名づけようのない感情の動きを描いた作品です。文庫では「原色の街」などと一冊になっています。
感情を突き放して見つめる描写の精密さに感心した、という感想が見られます。登場人物の気持ちから一歩引いたような、計算された距離感が印象に残る。色気があった、という声もありました。
技巧が凝りすぎていると感じた人もいます。性にまつわる描写がはっきりしているので、苦手な人もいるかもしれません。昭和の文学の、男女の機微を描いた短編として読み継がれている作品です。
ブクログでは1,000人以上が本棚に登録しています(『原色の街・驟雨』新潮文庫版)。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。