茨木市役所に勤める男性・早野ひかるが、「先生」と呼ぶ人物と出会い、銅鐸や土地の歴史にのめりこんでいく話です。昭和と令和が少しずつ入り交じっていくような、不思議な読み心地があります。
意外と多いのが「笑った」という感想です。関西弁のやりとりが軽くて、主人公の不器用さに思わず笑ってしまう。純文学と聞いて身構えていたけれど、カラッとして明るかった、と話す人もいます。土地に刻まれた過去と、いまを生きる主人公が重なっていく後半は、ぞくっとした、という声もありました。
最後が唐突で、どう受け取ればいいのか分からなかった、という声はかなり多いです。前半の軽さと終盤の飛躍の落差をおもしろがれるかどうかで、評価が割れています。茨木や北摂の土地を知っている人は、地名が出てくるだけでも楽しめるかもしれません。
ブクログに250件を超える感想があります。同じ回(第174回)は、鳥山まこと『時の家』との同時受賞でした。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。