染色工場でアルバイトをしている「ぼく」は、同じ職場の佐々井という男と知り合います。佐々井は、星や宇宙、雪や水の話をする、どこかつかみどころのない人でした。二人は静かに言葉を交わすようになり、やがて佐々井は、ある秘密と、少し変わった頼みごとを「ぼく」に打ち明けます。文庫には「ヤー・チャイカ」も入っています。
冒頭の数行が心に深く残った、という感想がとても多い本です。世界と自分の関係について語る、あの書き出しを覚えている人がたくさんいます。雪の描写の美しさ、音が消えたような静けさと透明感。「無音が聞こえてくるような文章」という言い方をした人もいました。
話は淡々としていて、つかみどころがない、と感じた人もいます。筋を楽しむより、文章の静けさを味わう本です。眠れない夜に、少しずつ読み進めたくなる一冊だと思います。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。