子どもたちに絵を教えている「ぼく」のもとに、裕福な家の少年・太郎がやってきます。太郎は絵を描こうとせず、子どもらしい気持ちの動きも見せない。「ぼく」は、太郎の心を少しずつ開いていこうとします。文庫には、ネズミの大発生と役人たちの右往左往を描いた「パニック」、菓子会社の宣伝合戦を描いた「巨人と玩具」、万里の長城の工事に駆り出された人の独白「流亡記」も入っています。
「筆力がまずすごい」という感想がよく似合う本です。文章の迫力と情報の濃さに圧倒された、という声が多く、どの作品も現代の寓話として読める、という人もいました。人間の弱さやずるさを見つめる目の鋭さを挙げる声もあります。
全体に暗く、人間のいやな面ばかりが描かれていて読み疲れた、という声があります。「裸の王様」の終わり方に納得できなかった人もいました。開高健さんの初期の作品をまとめて読める一冊として、手に取る人が多いようです。
ブクログでは1,500人以上が本棚に登録しています(『パニック・裸の王様』新潮文庫版)。
受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。