奈津子は、昔の贅沢な暮らしを忘れられない母と、同じように身勝手な弟に、ずっとお金も気持ちも吸い取られてきました。結婚した夫の太一は、のんきでマイペースな人。その太一が脳の病気で足が不自由になったあと、奈津子は夫を連れて、子どものころ家族で泊まった思い出のホテルへ旅に出ます。
「穏やかな地獄だった」という言い方をした人がいるほど、家族の描き方は重たい本です。それでも、過去と向き合っていく奈津子の姿と、そばにいる太一の存在に救われた、という感想が多く見られます。いやな話の中に希望がある、という受け止め方もありました。
全体に暗く、読むのがつらかった、という人もいます。奈津子が受け身すぎる、話に入り込みにくい、という声もありました。家族との関係に悩んだことのある人ほど、刺さるか、あるいは苦しくなるか、極端に分かれそうです。
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受賞の回・出版社(掲載誌)は日本文学振興会の受賞者一覧によります。感想のまとめは2026-09-27に確認したものです。