多重人格を持つ男性・岩本浩司と、三十二歳で結婚も恋愛も経験してきた、冷静な女性・里子。二人の恋愛を描いた物語です。里子は、性同一性障害ならぬ多重人格――解離性同一性障害を持つ岩本と出会い、その中に生まれた一つの人格「完璧な拓也」に惹かれていきます。現実にはあり得ないほど完璧な男性であるがゆえに、それが多重人格ゆえに生まれた人格に過ぎず、いずれ消えてしまうものだと自覚しながらも、里子は次第にのめり込んでいく——そんな筋書きです。
紹介している人は、物語の終盤にかけて、最初は冷静に描かれていた里子が、次第に情緒的で本能的な女性として変化していく展開に注目していました。あわせて、著者が描く女性登場人物のリアルさにも驚いていて、これを男性作家が書いていることに意外性を感じた、という感想が語られていました。
タイトルの「プリズム」は、光を分けるフィルターを意味する言葉で、一つの体に複数の人格が存在する様子と重ね合わせて使われている、と紹介されていました。多重人格というテーマを、医学的な視点や、そうした症状が実際に存在するのかという議論も踏まえながら、丁寧に描いている、という受け止め方が示されていました。
見た範囲では、はっきりと意見が割れる点は出てきませんでした。多重人格というセンシティブなテーマを扱っているため、そうした題材への関心や理解の度合いによって、読後感は大きく変わりそうです。
読了直後の感想として、視聴者の一人が個人チャンネルで、物語の構成と、多重人格というテーマの描かれ方について詳しく語っています。この動画はネタバレを含む個人の感想であり、繊細な内容にも触れているため、視聴の際は注意してください(再生回数は2026年9月時点)。