ライターの「僕」が、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行くところから物語が始まります。被告は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていますが、動機は深い謎に包まれたまま。事件の関係者もどこか歪んでいて、この異様さは何なのか、本当にこれは殺人だったのか——「僕」が真相にたどり着けないことには理由がある、という書き出しです。
紹介している人が強調していたのは、この作品が叙述トリックを使ったミステリーだという点です。叙述トリックとは、読者の先入観を利用してミスリードしていく手法のこと。あとがきにも多くのトリックが散りばめられていることが明かされていて、とくに冒頭の描写の伏線回収が印象的だった、と語られていました。
期待していたような疾走感のある展開ではなく、じわじわと迫ってくるタイプの読み味だった、という感想もあります。段落の区切りが短く、最後の暴露的な部分は一気読みを意識した作りになっているものの、全体としては難しい雰囲気を放っていて、じっくり読む覚悟が要る作品だ、という評価でした。
愛と狂気がテーマになっている、という受け取り方もされています。「これも愛なのか」という問いを残したまま、重いはずのテーマがどこか軽く見えてしまう瞬間があった、という複雑な感想も語られていました。性的な描写も含まれるため、大人向けの作品として紹介されています。
疾走感を期待するか、じっくり読むことを前提にするかで受け取り方が分かれそうです。紹介者自身、薄い本という見た目や概要から疾走感のあるミステリーを期待していたけれど、実際は違う味わいだった、と率直に語っていました。
いちばん見られているのは、文学YouTuberベルの紹介で、叙述トリックの仕掛けから、読後に残る愛と狂気というテーマまで、詳しく語られています(再生回数は2026年9月時点)。