クリスマス未明、一人の中学生が転落死します。柏木卓也、十四歳。彼はなぜ死んだのか、殺人か自殺か——謎に包まれたまま、同級生の犯行を告発する匿名の手紙が関係者のもとに届きます。過熱する報道の中で保護者の混乱が極まり、公然と犯人捜しが始まっていく。ひとつの死をきっかけに膨れ上がる人々の悪意と、それでも真相を求め続ける生徒たちを描いた、現代ミステリーの大作です。
文庫本で全六巻という長さを紹介している人は、序盤についての率直な感想を語っていました。読み進めるうちに「本当にこんな中学生がいるのだろうか」「こんなにも理解のある大人(教師)がいるのだろうか」と、都合の良さを感じる瞬間があったそうです。それでも、続きが読みたいという欲求は抑えられず、刊行のたびに購入していた、と語られていました。そして最後の五・六巻に入ると、そうした違和感は消え、「この子たちはどこへ行ってしまうのだろう」という思いだけで一気に読み終えた、という感想です。犯人探しやどんでん返しといったミステリーの仕掛けよりも、登場人物たちの行く末を見届けたいという気持ちのほうが強くなっていった、と語られていました。
物語の設定は1990年、今から見れば四半世紀前の中学生たちの物語です。携帯電話もSNSもない時代設定のため、子どもたちが大人の言うことを一定程度聞く、という前提が成り立ちます。同じ「学校内で子どもたちが真相を追う」というモチーフの他の作品と比べて、子どもの残虐性を強調する演出がほとんどないことが、かえってリアルに感じられる、という指摘もありました。物語は、事件から二十五年後、当時の関係者の一人が教師としてその中学校に戻ってくる場面から始まる構成になっていて、ある程度の着地点が見えたうえで読み進める作りになっている、とも語られていました。
分量の長さをどう受け止めるかで読み進め方が分かれそうです。紹介者自身が「まず一巻を手に取ってみて、続きが気になれば次に進み、そうでなければそこで止めればいい」という薦め方をしていました。
BookTV358が、あらすじと読み進めるうちに評価が変わっていった経緯を正直に語っています。
映画版を観た感想としては、岡田斗司夫が、1990年という時代設定の効果と、子どもたちの描き方の丁寧さについて詳しく語っていました(再生回数は2026年9月時点)。