杉村三郎シリーズの第二作にあたる、現代ミステリーです。今多コンツェルングループの会長の娘婿である杉村三郎が所属する広報室は、社員の泉が起こしたトラブルへの対応に追われることになります。解雇された泉が、広報室の社員たちから嫌がらせやセクハラを受けたと事実無根の訴えを会長宛てに送りつけてきたことから、杉村は事態の収拾にあたることになります。
杉村が泉の経歴を調べる中で出会うのが、埼玉・横浜・東京で起きた連続無差別毒殺事件の被害者の娘と孫にあたる、女子高生の古屋美奈子とその母・秋子です。事件との関係がはっきりしないまま、母娘は警察から疑いの目を向けられていました。杉村は母娘に寄り添いながら、事件の真相に近づいていく——そんな筋書きが紹介されていました。
土壌汚染やシックハウス症候群といった社会問題も物語に織り込まれていて、単なる犯人探しにとどまらない、社会派ミステリーとしての厚みを持つ作品だ、という紹介がされていました。泉の悪意が、やがて広報室全体、そして杉村個人へと向かっていく展開も、読みどころとして語られていました。
見た範囲では、複数の受け止め方を比較できるだけの材料は集められなかった。シリーズ前作『誰か Somebody』を先に読んでいるかどうかで、人物関係の理解のしやすさは変わりそうです。
宇宙のすべての知識 プリンシピアが、事件の構造とシリーズとしての位置づけを詳しく紹介しています(再生回数は2026年9月時点)。