美術にそれほど詳しくない読者でも、後半に入ると止まらなくなる——そう語られることが多い作品です。四百ページほどの分量があり、最初はとっつきにくさを感じたという人も、登場人物の性格が分かってくるにつれて物語の行方が気になり、後半を一気に読んだと話していました。
舞台は1886年、パリの美術界です。流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく日本人・林忠正と、その助手の加納重吉がいる一方で、当時まだ無名だった画家フィンセント・ファン・ゴッホが、パリにいる弟テオの部屋に転がり込んできます。テオは兄の才能を信じて献身的に支えるのですが、次第に追い詰められていく。そこに林忠正が現れたことで、四人の運命が大きく動き出していきます。
史実をもとに作り込まれたフィクションである、という点が高く評価されていました。実在の画家や出来事が作中にそのまま出てくるため、美術に詳しくない読者は「これは本当にあった話なのか」と何度も確かめながら読んだ、という感想が出ています。あとで調べるとフィクションだと分かるのに、事実の部分もかなりあるらしく、そこが作品のリアリティにつながっているという受け取り方でした。
ゴッホの壮絶な人生を描いた物語であり、美術好きの読者にはとくに楽しめる一冊だと紹介されています。
見た範囲では、はっきりと意見が割れる点は出てきませんでした。ただし美術やゴッホへの関心があるかどうかで、最初の読み進めやすさは変わりそうです。紹介している人自身も、序盤はとっつきにくかったと正直に述べていました。
ペキョの小説紹介とかが、2018年の本屋大賞ノミネート作を順に紹介するシリーズのなかでこの作品を取り上げていて、史実とフィクションの境目をどう楽しんだかを語っています(再生回数は2026年9月時点)。
この作品について語っている動画は、探した範囲ではあまり多くありませんでした。ここでは確かに読んだうえで話されているものだけを参考にしています。