主人公が最初から大泉洋さんの顔と声で動く小説、という紹介のされ方をします。この作品は俳優の大泉洋さんを念頭に置いて書かれた「あて書き」の小説で、読んでいるあいだずっと本人が喋っているようだった、と話している人がいました。
舞台は出版社です。主人公の速水は、大手出版社で雑誌『トリニティ』の編集長を務めています。誰もが彼の言動に惹きつけられ、作中に出てくる大物作家さえ例外ではありません。物語は、その大物作家のデビュー四十周年記念パーティーの場面から始まります。
社内には社長派と専務派という、大きな組織にはつきものの派閥があります。ある夜、速水は一方の側の上司に呼び出され、『トリニティ』を廃刊にするという話を聞かされる。彼はそれを阻止しようと動き出すのですが、そこから組織の思惑に翻弄されていきます。
読んだ人が挙げるのは、出版業界が抱えている現実の問題が具体的に書き込まれている点です。娯楽として面白く読めるのに、読み終えると業界のことを考えさせられる——そういう二重の読み心地として語られていました。
タイトルの『騙し絵の牙』が何を指していたのかは、最後まで読むと分かる仕組みになっています。そこは伏せておきたい、という書き方をしている人が多かったです。
見た範囲では、評価が大きく割れる点は出てきませんでした。ただし、大泉洋さんのイメージをどれだけ持っているかで、読み心地はかなり変わりそうです。あて書きの妙を楽しめる人ほど強く薦めている、という傾向がありました。
ペキョの小説紹介とかが、あて書きという成り立ちの面白さから、出版業界を描いた社会派としての読みどころまでを、ネタバレを避けて紹介しています(再生回数は2026年9月時点)。
この作品については、小説そのものより映画のレビューを扱った動画のほうが多く見つかります。ここでは原作を読んだうえで語られているものだけを参考にしています。