タイトルは知っていたものの、既読の友人たちがこぞって「全く面白くない」と言っていたため、長らく手を出していなかった——そう率直に語る紹介者がいました。文庫化を機に、書店で平積みされているのを見て衝動買いしたそうです。
まだ一巻の途中だとしながらも、若い頃にこれだけの長編を書き上げ、それが長く単行本化されずに放置されていたことに驚きを示していました。冒頭から著者の知識量に圧倒される、という感想です。
この作品について、紹介者は音楽や絵画とは違う文学ならではの難しさに触れていました。音楽や絵画は専門家の評価を信じて「流し鑑賞」ができるけれど、文学は作者と読者が一対一で向き合う形になるため、読者にも相応の理解力が求められる、という考察です。そのうえで、本作は著者自身が「自分の最高傑作」だと語っている作品であり、読者を置き去りにしてでも突っ走ってしまうような迫力がある、と評価していました。内面描写の細かさが、ロシア文学を読んでいるような気分にさせる、という感想もありました。
著者は本作を単行本化するつもりがなかったとも語っていて、大衆に迎合する気持ちのない、作家としての本気の仕事だと紹介者は受け止めていました。
読者を選ぶ作品かどうかという点で、紹介者自身が率直な不安を語っていました。全四巻の大作で、最後まで置き去りにならずについていけるか、期待と不安が入り混じった読み方をしていたと語られていました。
BookTV358が、読み始めた経緯と、文学作品としての読みごたえについて率直に語っています(再生回数は2026年9月時点)。