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全国書店員が選んだ、いちばん売りたい本
52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち

町田そのこ 著 / ヒューマン / 🎬 映画化

誰にも届かない声で鳴くクジラに自らを重ねた、孤独な魂たちの出会いと救済の物語。

読者の受け止め方

YouTubeの感想をいくつか見て、読書メーターの感想も眺めてみました。2024年に映画になってからは、映画と原作を比べる動画も増えています。

この本について話す人は、たいてい同じ前置きをします。「重そうで、ずっと手が伸びなかった」。虐待、家族からの搾取、性の悩みといった題材が帯やあらすじに並ぶので、読むのが苦しくなりそうで敬遠していた。そのうえで、「読んでみたら本当によかった」「最終的には救いのある話だった」と着地する。この流れがいちばん多かったです。

タイトルの意味も、ほぼ全員が説明します。他のクジラには聞き取れない高い周波数で鳴く、世界に一頭だけのクジラ。仲間がいるのに声が届かない。その比喩を、家族に人生を奪われてきた主人公・貴瑚と、母に「ムシ」と呼ばれて声を失った少年に重ねる読み方です。読書メーターでもよく出てくる言葉は「孤独」「愛」「出会い」でした。

構成の話では、大分の海辺の町で少年と出会う現在と、貴瑚が家族から抜け出すまでの過去が行き来する、という点がよく出ます。なぜ見ず知らずの少年にここまで関わろうとするのか。その答えが過去の側にあって、「その過去が壮絶だった」「アンさんという存在の描き方に泣いた」と言う人が何人もいました。

少し違う角度からは、加害する側もたどれば傷ついた側だった、という描き方に触れる人もいます。きらきらしていない場所で生きる、声の届かない人たちの話だ、と。

分かれる点

論点一方もう一方
読み心地暗さを抜けた先の救いが効く主人公の悲しみが積み重なり、途中でうんざりしそうになる
題材の扱い現実にある問題を小説として届けている一冊にいくつもの重い題材が入り、盛りだくさんに感じる
入り方あらすじで重いと感じて敬遠読めば、あらすじの印象ほど重くはない

見た範囲では、作品へのはっきりした否定は見つかりませんでした。

運営者の視点

本屋大賞の受賞作は毎年ひと通り読んでいます。この作品は、上のまとめの通り「あらすじの印象ほど重くはない」側で、8章それぞれに区切りがあるので、少しずつ読み進める読み方に向いています。

2021年の他のノミネート作

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『52ヘルツのクジラたち』をAudibleで聴く

『52ヘルツのクジラたち』はAudibleの聴き放題対象で、再生時間は9時間48分です(2026年9月時点。対象は入れ替わることがあります)。1日1時間なら10日ほどで聴き終わる長さで、現在と過去が行き来する構成は章の切り替わりで分かります。

ナレーターは安田愛実さん。パワー・ライズ所属の声優で、神奈川県出身。海外ドラマ『ガール・ミーツ・ワールド』のサリー役、映画『13の選択』のヒロイン・シェルビー役、『ザ・クリミナル 合衆国の陰謀』の吹き替えのほか、ゲーム『妖怪百姫たん!』の天邪鬼役、『V.D. -Vanishment Day-』の朝霞美月役を担当しています。

本屋大賞の受賞作でAudibleにあるものの一覧は、ブログ「あの空の下」の本屋大賞の受賞作、Audibleで聴けるのは14作品にまとめています。2021年のノミネート10作は2021年本屋大賞:孤独と救いの物語。で紹介しています。

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こんなところでも紹介されています

YouTubeで検索していちばん上に出るのは、2024年公開の映画の公式予告(ギャガ公式チャンネル)で、数十万回再生されています。本の感想では、ブックマちゃんの「思ったより8倍暗い」というノミネート時のレビューと、ひろみ司書CHの章ごとの解説がよく見られています。

このほか、メリアの本棚ノンの絶対刺さる本棚てつがくちゃんねる浅井書房ペキョの小説紹介とかコッコの秘密基地鮎谷ナツヤの感想と、読書メーターを見て、このページをまとめました(再生回数は2026年9月時点)。

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