双子と、瞬間移動。この二つを聞いただけでは、どんな話なのか想像がつかないと思います。実際、紹介している人も「弱ミステリー」という独特の呼び方でこの作品を説明していました。
語り手は優我です。仙台市内のファミレスで、黒縁眼鏡の高杉という男から一本の動画を見せられる。その動画にどこか違和感を覚えたところから、優我は双子の弟・風我のことを語り出します。決して幸せとは言えなかった子どもの頃のことと、二人だけが持っていた特別な力のことを。
読んだ人が最初に触れるのは、幼少期の重さです。物語は虐待の場面から始まり、それが最後まで尾を引きます。いじめについても書かれています。ただし、その重さで気持ちが沈みきってしまうことはなかった、という感想が続きます。シリアスな場面の合間にくすりと笑えるところがあり、ちょっとしたミステリーの仕掛けも入っているからです。
そのミステリーの入り方が独特だ、とも語られていました。読んでいる最中はミステリーだと感じさせないのに、気づくとミステリー的な流れになっている。トリッキーな構成ではあるけれど、読みにくいほど凝ってはいない、という評価です。
心に残った一文として、たった一人の肉親に対する思いが表れた箇所を挙げている人がいました。物語全体を要約するような一文だった、という言い方をしています。兄弟のいる人、双子の人には響くところがあるのではないか、とも話していました。
見た範囲では、はっきり意見が割れる点は出てきませんでした。ただし冒頭から虐待の場面が続くため、そこをつらく感じるかどうかで読みやすさは変わりそうです。紹介者も、重い題材であることは先に断ったうえで薦めていました。
ペキョの小説紹介とかが、双子と瞬間移動という設定の入り口から、重い題材をどう読んだかまでを、ネタバレを避けて紹介しています(再生回数は2026年9月時点)。
この作品について語っている動画は、ほかの候補作にくらべると多くありません。ここでは確かに読んだうえで話されているものだけを参考にしています。