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全国書店員が選んだ、いちばん売りたい本
熱帯

熱帯

森見登美彦 著 / SF

ある謎の本をめぐって語り手が入れ子状に入れ替わっていく幻想的な冒険小説。森見ワールド全開。

読者の受け止め方

説明が難しい本、という言い方をされることが多い作品です。紹介している人自身が「本当にねえ、説明が難しい」と言いながら話し始めるくらいで、そこがそのままこの本の性格を表しています。

物語の鍵になるのは、『熱帯』という一冊の本です。誰も最後まで読み通したことがない、幻の小説。その結末を知りたいと願う人たちが次々に現れて、その先を追いかけていくうちに、読んでいる側もいつの間にか別の物語の中にいる——そんな入れ子の構造になっています。時間軸を行ったり来たりするので、読み進めるうちに「これはどういうことだ」と分からなくなって前のページに戻る、ということが何度も起きた、と語られていました。

謎が謎のまま残る部分もかなりあります。それを持て余す感じも含めて、この本の面白さだと受け取る人が多いようです。読んだ人同士で「自分はこう読んだ」と語り合う読み解きの会が開かれていると紹介している人もいて、一人で読み終えて完結する本ではなく、話したくなる本として扱われています。

読み終えたあとに何が残ったか、という問いに対して、「当たり前だと思っていることを一度疑ってみるのはどうか、と言われた気がした」と話している人がいました。筋を追って納得する読み方ではなく、足場を外される感覚そのものを味わう本、という受け取られ方です。

分かれる点

この読後のもやもやを、豊かさと取るか散らかりと取るかがはっきり分かれます。ある紹介者は「なんだか気持ち悪い、もやもやする」という気持ちが大きかったと正直に述べたうえで、それが読書という体験の素晴らしさなのか、それとも単にとっ散らかっているだけなのか、自分には判断がつかなかったと語っていました。

森見登美彦さんの作品を読み慣れているかどうかでも、入り口の感じ方が変わりそうです。著者自身がこの作品を「我ながら呆れるような怪作である」という趣旨で紹介しているとのことで、そこを楽しめるかが分かれ目になります。

著者が語っていること

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こんなところでも紹介されています

ぱくゆうチャンネルは、直木賞候補作を全部読む企画のなかでこの本を取り上げていて、読んでいる最中の戸惑いから、読み終えたあとに残った問いまで、率直に語っています。

森見登美彦さんという作家そのものについては、文学系チャンネル【スケザネ図書館】が、最初の出会いから読んできた順番まで、ファンの立場でまとめています(再生回数は2026年9月時点)。

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