高校生の「僕」が病院で偶然拾った一冊の文庫本。そこに書かれていたタイトルが「共病文庫」。それは、クラスメイトの山内桜良がつづった秘密の日記でした。桜良が、すい臓の病気で余命がもういくばくもないことが、そこに記されていた——ここから物語が動き出します。
「泣ける」という評判がとにかく先行する作品です。紹介している人は、序盤の文体について正直な感想を述べていました。病気のことをブラックジョークで語る場面が痛々しく感じられたり、会話が回りくどく感じられたりと、序盤はかなり厳しく評価していました。ただし後半に入ると印象が変わり、起承転結がはっきりしていて、どんでん返しも用意されている構成に引き込まれた、と語っています。
読み終えて素直に泣いた、という感想もありました。「タイトルに涙する」という宣伝文句に対しては、話の筋そのものより、素朴に感動して泣いたという受け取り方です。
考えさせられる点も挙げられていました。人はいつ死ぬか分からない、だから今日という日を一生懸命に生きるべきだという、当たり前だけれど忘れがちな気づき。もう一つは、他人からの評価によって自分の魅力が決まると考える主人公の「僕」と、自分で自分の魅力を決めて持ち続ける桜良という、対照的な二人のバランスの妙です。
文体や序盤の演出をどう受け取るかで好みがはっきり分かれます。紹介者自身が「正直キツかった」と述べる場面がある一方で、後半の構成の巧みさは高く評価していました。恋愛小説や感動ものが好きな読者には向いているけれど、そうした演出を過剰に感じる読者には合わないかもしれない、という見立てです。
いちばん見られているのは、文学YouTuberベルの紹介で、序盤への率直な違和感から、後半で評価が変わっていく過程までを詳しく語っています(再生回数は2026年9月時点)。