主人公の千鶴は、幼い頃に母に置いていかれたという過去を抱え、元夫からの暴力に苦しんだ末に離婚し、パン工場で働きながらひとり生きています。もらいもののしょっぱいパンや甘いパンに味を感じられなくなり、味のしないコッペパンだけを食べる日々。少しずつ貯めていたお金も、突然現れた元夫に持っていかれてしまう——という、報われないどん底からの幕開けに、これでもかと胸をえぐられた、という感想を見かけました。
物語が動き出すのは、千鶴があるラジオ番組に母との数少ない輝かしい思い出を投稿し、それが賞に選ばれたことから。放送を聞いた人物から「あなたのお母さんは、私の母でもあるんです」という連絡を受け、千鶴は自分を置いていった母と再会することになります。ところが母はすでに若年性アルツハイマーを患っていて、千鶴のことをほとんど覚えていない、という展開に、怒りをぶつけようにもぶつけられないもどかしさを感じた、という声がありました。
病気によってすっかり別人のように快活になった母の姿に、どちらが本当の母親なのか分からなくなる複雑な感情も描かれていて、母を捨てた側の自由と、捨てられた側の苦しみ、その両方をきちんと描こうとしている、という受け止め方が印象的でした。読み終えて涙が止まらなかった、という感想も多く見かけました。
とくにはっきり分かれる点は見当たりませんでした。見た範囲では、母を許せない気持ちと、病気によって変わってしまった母への戸惑いを丁寧に描いた構成を評価する声が中心でした。
いちばん見られているのは、紹介動画で、千鶴と母の複雑な関係が詳しく語られています。
このほか、感想動画も見て、このページをまとめました(再生回数は2026年9月時点)。