検事の弘樹、契約社員の夏月、大学生の八重子。それぞれ違う場所で暮らす3人が直接交わることのないまま、少しずつ視点を変えながら物語が進んでいきます。不登校になった息子とどう向き合うか悩む弘樹、同窓会をきっかけに学生時代のある出来事の真相を確かめようとする夏月、大学の学園祭でミスコンに代わる企画を提案する八重子。読み進めるうちに、ある人物が正しいと信じていることが、別の人物を静かに傷つけている構図が見えてくる、という感想を見かけました。
「多様性」という言葉が指し示す範囲そのものに焦点を当てた作品として受け止められていました。誰にでも想像しうる違いには寛容になれても、想像の及ばない違いに対しては、無意識のうちに線を引いてしまっているのではないか——読んでいて自分自身にも刃を向けられているような感覚になった、という声もありました。読んだ人によって感想が大きく分かれる作品で、傑作と受け止める人もいれば、後味の重さに戸惑う人もいる、という受け止め方が印象的でした。
単純な感動やカタルシスを与える結末ではなく、分かったようで分からないもどかしさを最後まで残す構成が、かえってこの作品らしさとして評価されていました。著者自身が「生きることと死ぬことが目の前に並んでいるとき、生きることを選ぶきっかけになり得るものを見つけたくて書いた」と語っていることも紹介されており、単なる問題提起にとどまらない力強さを感じた、という感想もありました。
読後感については、感想がはっきり分かれていました。読んで救われた気持ちになったという声がある一方、モヤモヤとした後味の重さを強く感じたという声もあり、どちらの感想も見受けられました。
いちばん見られているのは、映画公開にあわせて作られたネタバレなし解説動画で、3人の登場人物それぞれの背景が丁寧に紹介されています。
このほか、ブック2間の書評動画も見て、このページをまとめました(再生回数は2026年9月時点)。