正反対の環境で育った二人の少女、矢島ダイアナと神崎彩子。小学校から大人になるまでの十数年間の友情と対立を描いた物語です。
本が大好きなダイアナは、自分の名前が大嫌いでした。母親は十六歳のときにダイアナを身ごもり、キャバレーで働きながら一人で育ててきた人。競馬好きの父が「大穴」と書いて「だいあな」と読む名前をつけたことを、幼いダイアナは知らされます。小学三年生のとき、容姿のことでからかわれていたダイアナを助けてくれたのが、同級生の彩子でした。医師の父と料理教室講師の母を持つ、家庭的な家で育った少女です。読書好きの二人は、服部圭一が書いた『秘密の森のダイアナ』という児童書を通じて、かけがえのない親友になります。
進学を控えたある日、些細なきっかけから彩子はダイアナに絶交を宣言してしまいます。それから十年間、二人は互いを気にかけながらも一度も会話することなく、それぞれの環境の中で悩み苦しみながら大人になっていきます。彩子は大学の新入生歓迎会でひどい目に遭ったことをきっかけに変わってしまい、ダイアナは念願通り書店員になり、カリスマ書店員として注目される存在になります。
紹介している人は、この物語が伝えているメッセージの重みに触れていました。「自分にかけた呪いを解けるのは自分だけ」という言葉です。苦しいとき、人はそのつらさから目を逸らそうとして、自分で自分に呪いをかけてしまう。二人が『秘密の森のダイアナ』に助けられたように、この物語もまた、苦しいときに前へ踏み出す勇気を与えてくれる一冊になるのではないか、という受け取り方が示されていました。
見た範囲では、評価が大きく割れる点は出てきませんでした。ただし、十年という長い断絶を経て再会する構成のため、じっくり腰を据えて読みたい作品だという印象が語られていました。
オトメニア チャンネルが、ダイアナと彩子それぞれの十代から大人になるまでの歩みを、丁寧にたどりながら紹介しています(再生回数は2026年9月時点)。
この作品について語っている動画は、探した範囲では多くありませんでした。ここでは確かに読んだうえで話されているものを参考にしています。