文庫本三冊、計千八百ページほどの大長編ですが、一週間ほどで一気読みしてしまうほど面白かった、と紹介している人がいました。文章の巧みさ、癖の強い魅力的な登場人物たち、緩急のあるストーリー展開が高く評価されていました。
この作品でとくに重要な概念として紹介されていたのが、「リトル・ピープル」という存在です。ジョージ・オーウェルの『1984』に登場する「ビッグ・ブラザー」のような、分かりやすい権力者ではなく、不特定多数の人々による無意識の悪意の集合体として描かれている、と語られていました。SNSでの誹謗中傷や、自粛を強要する空気感など、現代社会にも通じるものとして受け止められている、という紹介です。
このリトル・ピープルに対抗する手段として、作中では「言葉の力」と「暗殺」という二つのやり方が示されている、という解釈が語られていました。主人公の一人・天吾は、ある少女が書いた内部告発的な小説を編集し、世に送り出すことで、リトル・ピープルの象徴である宗教団体にダメージを与えます。もう一人の主人公・青豆は、法で裁けない悪を暗殺という手段で断とうとする——この二つの手段の描かれ方の違いについて、紹介者は自分なりの考察を語っていました。
暗殺という手段の描かれ方をどう受け止めるかという点で、紹介者自身が複雑な感情を語っていました。言葉の力による解決には納得できる一方、暗殺という力技での解決には、最後まで腑に落ちない部分が残った、という率直な感想です。
このこねこの本紹介チャンネルが、「リトル・ピープル」という概念の意味から、現代社会との重なりまで、詳しく考察しています。この動画はネタバレを含む解説になっているため、これから読む方は先に本編を読むことをおすすめします(再生回数は2026年9月時点)。