読んで久しぶりに涙した、と紹介している人がいました。ぐっと体に迫ってくるような読書体験だった、という感想です。表面的には、いじめを受ける中学生の男の子の物語です。読んでいて胸が苦しくなるほどの痛みが描かれていますが、その苦しみの中に、ある種の美しさを見いだせるところがこの作品の凄さだ、と語られていました。
著者自身がインタビューで、いじめそのものを書きたかったのではなく、痛みや苦しみの中で人がどのように物事を考えるか、その思考のプロセスを書きたかった、と語っていると紹介されていました。紹介者も、最初に読んだときは「いじめの話は嫌だ」という抵抗感があったものの、読み進めるうちにその見方が変わっていった、と率直に述べていました。
この作品は国際ブッカー賞にもノミネートされ、海外でも高く評価されています。興味深いのは、日本での読まれ方と海外での読まれ方の違いだと語られていました。日本では社会問題・倫理の問題として受け止められがちな一方、海外では、いじめという枠を超えて、生きることの苦しさや人間の弱さという、より普遍的なテーマとして読まれている、という指摘です。
いじめる側が圧倒的に悪いということは揺るがない、という前提を紹介者は強調していました。作中でも、いじめる側は深く考えているわけではなく、ただ気に入らない、あるいは楽しいから、という程度の動機で行動している様子が描かれている、という紹介でした。
見た範囲では、はっきりと意見が割れる点は出てきませんでした。いじめという題材への心構えによって、読み進めやすさは大きく変わりそうです。
文学で人生迷走チャンネル【Podcast】が、初めて読んだときの抵抗感から、読み進めるうちに変わっていった受け止め方、そして日本と海外での読まれ方の違いまで、詳しく語っています(再生回数は2026年9月時点)。