十九世紀、嵐吹きすさぶ龍踊りの晩に生まれた神童・真鶴。しかし女として生まれたがゆえに、男として生きることを余儀なくされ、孫寧温と名を改めて宦官となり、琉球王朝の首里城に上がることになります。清国と薩摩藩、二つの大国の間で揺れ動く琉球王国のアイデンティティを、その才覚で守ろうとする物語です。
読者の受け止め方としては、琉球王国が現在の沖縄県になるまでの歴史を下敷きにした、壮大な歴史ファンタジーとして評価されていました。多種多様な登場人物が織りなす愛憎劇、恋愛劇としての側面も強く、読み始めるとその世界観に引き込まれる、という感想が寄せられていました。真面目な歴史小説だと思って読み進めると、次第にその印象を裏切られていくような、独特の語り口も特徴として語られていました。
本作は2011年にNHKでドラマ化され、9年ぶりの琉球・沖縄を題材にした全国放送のドラマとして注目を集めました。ドラマの歴史考証を担当した研究者は、膨大な原作小説を脚本家が丁寧に圧縮したことや、ペリー来航の場面を実際の当時の音楽で再現したことなど、原作の世界観を映像でどう表現したかについて語っていました。
見た範囲では、複数の受け止め方を比較できるだけの材料は集められなかった。琉球王国の歴史や文化への関心の有無によって、入り込みやすさは変わりそうです。
ドラマ版の歴史考証を担当した研究者による沖縄歴史倶楽部のインタビューで、原作の膨大な物語がどう映像化されたかが語られています。原作小説そのものを扱った動画は、探した範囲では多くありませんでした。