明治時代を舞台に、若くして亡くなった親友が残した家に、ひょんなことから住むことになった、売れない作家・綿貫征四郎の物語です。その家では、ちょっとだけ不思議なことが起こり続けますが、綿貫さんはそれをごく当然のことのように、飄々と受け入れていく——そんな作品として紹介されていました。
紹介している人は、200ページほどでさらりと読めながら、良いメッセージが込められている作品だと評価していました。死んだはずの親友がボートに乗ってふらりと現れたり、家の庭にあるサルスベリの木に惚れられてしまったりと、次々に不思議な出来事が起こるものの、その不思議さがまったく自己主張せず、自然と物語の世界に馴染んでいる点が魅力だ、という受け止め方が語られていました。
紹介している人自身、最初はこうした不思議な出来事に「なぜ作者はこの設定を選んだのか」という意図や正解を求めてしまっていたものの、読み終えて考えが変わったと語っていました。この作品は意味を探すものではなく、不思議を不思議のまま受け入れるための物語なのだ、という気づきが紹介されていて、少し昔の、まだ不思議さが残っていた日本の雰囲気を、穏やかな気持ちで味わえる一冊だと評価されていました。
見た範囲では、はっきりと意見が割れる点は出てきませんでした。不思議な出来事に理由や意味を求めながら読むか、それをそのまま受け入れて味わうかで、読み方は変わりそうです。
このこねこの本紹介チャンネルが、不思議な出来事をそのまま受け入れていく綿貫さんの魅力と、作品全体の穏やかな雰囲気を詳しく紹介しています(再生回数は2026年9月時点)。