保育園から高校3年生まで、主人公・宙の成長を5つのエピソードで描く物語です。宙には2人の母がいます。小さな成長を見つけては喜んでくれる育ての母と、自由奔放で仕事や恋愛を大切にする、あまり母親らしくない生みの母・狩野さん。小学校入学を機に狩野さんと暮らし始めた宙は、彼女の後輩・やっちゃんが作ってくれる料理に支えられながら少しずつ成長していきます。タイトルから受ける印象は温かいハートウォーミングな話かと思って読み始めたら、想像以上に読み応えがあった、という感想を見かけました。
主人公の宙が大人びていて冷静な性格に描かれているからこそ、あるとき感情をあらわにする場面がより一層引き立って見える、という評価もありました。血のつながりのない人が作ってくれる温かいご飯と、血のつながった母親が時おり見せる感情的な一面、その両方を通して家族になっていく過程が丁寧に描かれている、という受け止め方が中心でした。
母親像の描き方についても、理想化されたやさしい母親ではなく、できないことには理由がある未熟な母親として狩野さんを描いている点が町田そのこさんらしい、という声もありました。読み終えた人同士で「あの場面がよかった」と語り合いたくなるような、細部の情景描写を評価する感想も見かけました。
とくにはっきり分かれる点は見当たりませんでした。見た範囲では、理想化しない家族像の描き方と、成長していく宙の心の変化を評価する声が中心でした。
いちばん見られているのは、坂部ひろみのブックレビューで、登場人物ひとりひとりの魅力について詳しく語られています。
このほか、北上ラジオの書評コーナーも見て、このページをまとめました(再生回数は2026年9月時点)。