元看護師、売れない芸人、バイク整備士、女子高生、アクセサリー作家。それぞれ違う人生を歩む5人の主人公に共通しているのは、「竹取」という人物が月にまつわる話をひたすら語るポッドキャストを聞いていること、というのがこの連作短編集の仕掛けです。新月の夜にも実は月は空にある、という何気ない話が、聞いている本人の抱える悩みとそっと重なっていく展開に、心が温まった、という感想を見かけました。
第2章の売れない芸人の物語が特にリアルだ、という声もありました。相方と組んでいたコンビが解散し、1人になったとたん仕事が減り、フリーライブに出ることすら意義を見出せなくなっていく——芸人を辞めないのに、活動そのものからは離れていってしまう、そんな痛々しい状態がリアルに描かれている、という受け止め方でした。
5つの物語は一見それぞれ独立していますが、読み進めるうちに登場人物同士が意外な形でつながっていることが分かってきます。その伏線の回収の仕方が「どうだ」と誇示するようなものではなく、気づく人だけがそっと気づく自然な繋がり方をしている、という評価も見かけました。「月の立つ林で」という不思議なタイトルの意味も、読み終えたときに腑に落ちる、という感想もありました。
とくにはっきり分かれる点は見当たりませんでした。見た範囲では、5つの物語をつなぐポッドキャストという仕掛けと、さりげない伏線回収の巧みさを評価する声が中心でした。
いちばん見られているのは、現役書店員芸人・鴨田セブンの紹介動画で、5つの物語それぞれの読みどころが語られています。
このほか、朝日新聞社「好書好日」の著者インタビューも見て、このページをまとめました(再生回数は2026年9月時点)。