登山仲間の同僚・安西と、あの「魔の山」谷川岳に登る約束をしていた新聞記者の悠木が、出発前夜、日本航空機墜落事故の一報を受けるところから物語が始まります。悠木は事故報道の全権デスクを任され、約束は果たせなくなってしまいます。一方の安西は、山とはまったく関係のない理由で病院に運ばれていた——そんな緊迫した幕開けが紹介されていました。
紹介している人は、この作品が登山小説というより、新聞記者としての壮絶な一週間を描いた作品だと強調していました。著者自身が実際にその航空機事故を担当した新聞記者だった経歴を持つといい、新聞社内部のドロドロとした人間関係や、生々しい駆け引きの描写に強いリアリティがある、と語られていました。
とくに印象的なエピソードとして紹介されていたのが、命がけで取材してきた記事を、社内の事情でその日の紙面に載せられないという理不尽な展開でした。若手記者を現場に向かわせ、手柄を立てさせてやりたいという悠木の思いと、それを快く思わない同僚や上司との軋轢が、物語の緊張感を高めている、という受け止め方が語られていました。
見た範囲では、複数の受け止め方を比較できるだけの材料は集められなかった。登山という側面と、新聞社内部の人間ドラマという側面、どちらに重きを置いて読むかで、印象は変わりそうです。
JAPANIVISTAが、著者自身の新聞記者としての実体験を踏まえながら、この作品の緊迫感の由来を詳しく紹介しています(再生回数は2026年9月時点)。