ある高校に迷い込んできた1匹の犬を、生徒たちが校長先生を交えたディベートの末に飼うことに決める——そんな第1話から始まる、5つの連作短編集です。犬の名前は金四郎。彼を見守りながら、昭和から平成へと時代が移り変わり、阪神大震災や2000年という節目を経て、卒業していく生徒たちの姿を12年にわたって描いていきます。時代がどれだけ移り変わっても「卒業すればいなくなる生徒たち」を犬だけがずっと見送り続けている、という構図に胸を打たれた、という感想を見かけました。
各章にその時代に流行ったものが必ず登場し、自分が高校を卒業した年と重ねながら読める仕掛けが施されている、という指摘もありました。18歳という年齢は大人でもなく子供でもない、人生で最初の大きな決断——就職するか進学するか、地元に残るか出ていくか——を迫られる時期であり、著者はその緊張感や思いつめた気持ちを丁寧にすくい取っている、という受け止め方が中心でした。
作者自身の母校をモデルにしているとも語られており、実体験に基づく懐かしさと、青春時代特有の淡い痛みの両方が描かれている、という感想もありました。読み終えたあと、自分の18歳の頃をふと思い出してしまう、そんな余韻を残す作品として評価されていました。
とくにはっきり分かれる点は見当たりませんでした。見た範囲では、時代が移り変わる中で1匹の犬が生徒たちを見守り続ける構成と、18歳という年齢の持つ切実さを評価する声が中心でした。
いちばん見られているのは、著者・伊吹有喜さんへのインタビュー動画で、作品の着想の経緯と18歳という年齢に込めた思いが語られています。
このほか、紹介動画も見て、このページをまとめました(再生回数は2026年9月時点)。