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夏物語

夏物語

川上未映子 著 / ヒューマン

生殖と女の体、命をめぐる問いを正面から描く川上未映子の大作。長篇小説。

読者の受け止め方

大阪出身の夏子と、その姉・巻子。関西弁で交わされる2人の軽妙なやりとりに、思わずクスッと笑わされる、という感想を見かけました。物語の前半は、女性の体をめぐる姉妹の会話を軸に進みますが、後半になると、夏子自身が「子供を産みたい」という思いと向き合いながら、非配偶者間人工授精(AID)によって生まれた男性と出会い、婚姻や恋愛とは違う形で「ただ自分の子供に会いたい」という気持ちを募らせていく展開に、表紙から想像していたのとはまったく違う重みのある物語だった、という受け止め方が中心でした。

作中には、産みの苦しみを引き受けたくないという理由で代理母を利用する女性経営者の話や、AIDで生まれた女性が「生まれてこなければよかったと思う子もいるかもしれない」と語る場面が出てきて、命をこの世に生み出すことの意味を、様々な立場の声を通して多面的に問いかけている、という評価もありました。著者自身が出産を経験したのちに書いた作品であることがうかがえる、という感想も見かけました。

多くの登場人物それぞれの切実な声が響き合いながら1つの物語を作り上げていく構成について、ジェイムズ・ジョイスの『若き芸術家の肖像』を思わせる、という読み解きもありました。猥雑な大阪の街の描写が、ふとした瞬間に荘厳な響きを帯びる瞬間があり、そこに深い芸術的な感動を覚えた、という声も見かけました。

分かれる点

とくにはっきり分かれる点は見当たりませんでした。見た範囲では、姉妹の軽妙な会話と、命の誕生をめぐる重厚な問いかけとのギャップを評価する声が中心でした。

著者が語っていること

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このほか、本屋大賞ノミネート作紹介も見て、このページをまとめました(再生回数は2026年9月時点)。

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